上部液状化層

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我々は地層の重なりを見る時,無意識に『堆積後にそのまま圧密し固結したもの』と思いがちである.しかし実は,固結するまでの間に間隙水が関与した未固結時変形が広範に起きている.ここで紹介するのは,東北日本三畳系大沢層の砂泥互層の海岸露頭(写真上)に見られる変形構造で,川上源太郎氏の発見とご教示によるものである.
厚さ 20 cm 程度のタービダイト砂岩層の上半部に,上位の泥岩層から剥ぎ取られた “リップダウン・クラスト(rip-down clasts)” が見られる(写真中).この部分をよく観察すると,砂岩層の上半部と見えたものは実は砂岩層上部からの砂注入脈群であることが分かる(写真下).これらの構造は,タービダイト砂岩層上半部の液状化によって形成された.2005年3月撮影.宮城県南三陸町神割崎.

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