付加体は言うまでもなく “その場観察(in-situ observation)” がほぼ不可能な地質体であり,その内部の(特に変形)構造を感覚的に理解するのはなかなか難しいものがある.写真はジュラ紀付加体・北部北上帯中の葉理泥岩/珪質泥岩薄互層である(上).一見多少変形した珪質ラミナイトようにも見えるが,近接して観察すると,単純剪断による網状剪断面が縦横無尽に発達している(下).剪断面は層状構造に対して準平行・低角斜交である.専門家ではない眼から見ると,少し背筋が寒くなる.2005年3月撮影.岩手県宮古市(旧新里村)腹帯・閉伊川河床.
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