偽の不整合

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傾斜した下位層を不整合に覆う水平な地層...にしか見えない.実際この白亜系・蝦夷層群中の “不整合関係” が層群境界であり大きな構造イベント(中蝦夷地変)を示すものと考えられた時期もあった.しかし下位の地層を仔細に観察すると,乱雑な構造を持つ少なくとも 数十 m 以上のオーダーの大規模なスランプ体であることが分かる.つまりこれは,スランプ体上面の侵食面上に載る正常層に過ぎない.ただし,不整合の定義自体にはそもそも成因や堆積間隙についての制約は無いので,ある意味ではこれは “偽の” 不整合ではなく『不整合そのもの』に該当するとも言える.2007年7月撮影.北海道芦別市空知大滝.

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