南部北上帯周辺に分布するもう一つの大規模な蛇紋岩体として宮守岩体がある.Ozawa (1984) は宮守岩体が古生層の上に衝上するナップであることを指摘した.早池峰岩体の構造セッティングと共通するもので非常に重要な発見であるが,その後フォローされているとは言い難い.
写真は田瀬ダム湖岸で観察される露頭で,スレート劈開を持つ古生層泥岩上に低角断層関係で蛇紋岩が載っている.断層面は 10 度以下の北東傾斜である.古生層は下部石炭系-ペルム系の可能性があるが,層序・古生物上の確かな証拠はない.
上:1998年10月撮影.下:2005年3月撮影.岩手県花巻市田瀬ダム付近.
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