早池峰スラスト

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早池峰蛇紋岩体のセッティングについては諸説あるが,基本的には南部北上帯古生層の上に低角断層関係で衝上している.写真は早池峰山南麓斜面で観察したもので,ハンマーヘッドから上が蛇紋岩体である.下位にあるのは古生層ではなく角閃岩体で,断層面は北に20度程度傾斜している.角閃岩体の下位(南側)には石炭系小田越層が分布しており,東隣の沢(奥鳥沢)では小田越層の泥岩上に蛇紋岩体が同様な関係で載っている.
このような低角断層関係をどう見るかはこれも意見の分かれるところであるが,古生層は北に傾斜した褶曲軸面を持つ逆転向斜を形成しており,その北翼側に蛇紋岩体が衝上しているものと考えられる.1987年10月撮影.岩手県花巻市大作沢.

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