斜面変動は単なる定常的な自然現象であるが,それが人間社会との接点を持つ場合,大きな問題となりうる.写真はダムサイト脇の塔状不安定岩体で,これが崩落した場合ダム堤体構造物への影響があるということで,他の着目岩体とともに調査検討が行われた.驚くのはこの不安定岩体の形態で,頂部から数m下に斜め右下に走る開口割れ目があり,それに沿ってズレている “ように” 見える.もしそうであればとっくに崩落しているはずなので,この割れ目は少なくともその大部分は実は intact であるとしか思えない.青い丸の描かれたプレートはレーザプロファイラーでこの岩体の3Dモデルを作成した際のマーカーである.この写真を撮ってから約15年が経過しているが,この不安定岩塊が現在どうなっている(=対策済 or 崩落した)かは把握していない.岩盤斜面というものの摩訶不思議さを実感させてくれる.2011年6月撮影.北海道札幌市南区豊平峡ダムサイト.
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