様似町役場前には “かんらん岩広場” というものが設置されている.ここには町内の採石場から搬出された超苦鉄質岩の切断研磨岩塊が展示されており,ふだん滅多に見ることができない上部マントルの岩石の岩相や構造を観察することができる.写真は,ハルツバージャイト(主構成鉱物:かんらん石+斜方輝石)中のダナイト(同:かんらん石)脈である.厚さは約 5 cm.新井田(2000)を参考にすると,このダナイト脈は上部マントルかんらん岩の部分溶融によって発生した玄武岩質メルトの『マグマ・チャネル』で,ハルツバージャイト母岩の層状構造に斜交して貫入しており,母岩との反応関係が見られる.ダナイト脈中には脈方向の剪断変形が見られるが,その意味は不明である.2013年5月撮影.北海道様似町役場前.
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