日本全国各地の神社境内などに置かれているものの一つで,『君が代』の一節 “さざれ石の巌となりて” を体現するものとされている岩石.“さざれ石(細石)” とは地質学的に言うと『礫』のことで,礫質堆積物が続成作用で固結する過程を表現しているということになる.このさざれ石岩塊の礫の大部分は石灰岩で,その他にチャート・玄武岩を含む.不淘汰・乱雑であるが,岩塊長軸方向に弱い層理が認められる.石灰質基質には空洞があり沈澱構造も見られる.説明看板によると “伊吹山中” から得られたものとなっており,滋賀県米原市~岐阜県揖斐川町にかけて 10 km 以上にわたって分布するジュラ紀美濃帯付加体中の石灰岩体から由来したものであろう.ただし付加体中の海洋性岩石そのものではなく,説明看板にもあるように石灰岩体内に形成された鍾乳洞内部の崩落堆積物が石灰分で膠結されたものと考えられる.1999年8月撮影.秋田県秋田市護国神社.
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