折戸浜網状破砕構造
これも当時の私の妄想対象の一つである.この周辺の砕屑岩の中には,このような不可思議な構造が随所に見られる.要するに砂泥互層中に網状の炭酸塩鉱物脈が生じているのであるが,場所によっては炭酸塩鉱物脈の中に砕屑岩片がフロートした角礫破砕岩となっているところもある.砕屑岩片は原位置を保っていて,転位はほとんどしていない.
いったいこれはいつどのようにして形成されたのだろうか? 当時の妄想は,『海溝堆積物中のガスハイドレートが溶解する際に炭酸塩鉱物が生成した』というものであった.もちろん炭酸塩の同位体組成とか何のデータもない無根拠妄想である.もしかするとずっと新期の温泉・熱水関連のものなのかもしれないが.