特異な砂岩脈-ポッド
このただの平板状砂岩脈ではない複雑さ岩脈にはいくつかのパターンがあるが,このポッド(繭 pod)状砂岩脈がその一つである.こんなものは私は見たことがなかったし,いまだに地球上のどこからも記載報告されていない(と思う).1990年10月撮影.
中央部に砂岩脈の風船状に膨らんだ部分があり,そこから左に少なくとも3本の注入脈が.こういうものは,高い間隙水圧を持った砂流体というだけでは無理で,風船にポンプで空気を入れて膨らんでいくというイメージ.で,流体圧が周囲の岩盤の強度を越えて『ブシューッと破裂する』という感じ.右側には,母岩の層理に低角斜交する注入経路(conduit)がある.この特異な形態を説明するのに,前の説明に書いた以外になにか別のロジックがあるだろうか?
この砂岩脈における驚くべき構造は,ポッドだけではない.表現(&スケッチ)するのも難しい膨縮砂岩小脈のスワーム(swarm)である.それは別ページで紹介したい.