私的・北海道地質百選
『支笏カルデラ』
支笏(しこつ)カルデラは,約4万年前の巨大噴火後の大規模な陥没でできた直径約 12 km の凹地で,そこに雨水がたまり支笏湖となった(右写真).
湖面の海抜は 248 m,湖の最大水深は 363 m である.支笏湖はその風光明媚さから,札幌圏の代表的な観光サイトとなっている.
支笏カルデラの外壁部には,恵庭岳・風不死(ふっぷし)岳・樽前(たるまえ)山というカルデラ形成後の火山が形成されている.紋別岳は,支笏火山よりやや古い時代の火山である.
これらの支笏カルデラを縁取る山々は,特に北広島市~長沼町周辺で非常に良く見える.カルデラ湖そのものは隠れていていて見えないが,その間に存在する支笏カルデラをイメージすることは容易で,その規模の大きさを実感させてくれる(上パノラマ写真).
支笏湖畔からは,支笏カルデラを満たす湖水と外輪山上の火山風景を堪能することができる.
右写真上は,活火山でもある恵庭岳(1320 m).その右に見える冠雪した山は,札幌市・恵庭市・千歳市の3市の境界にまたがる漁(いざり)岳(1317.7 m).恵庭岳の左に見える小さなピークは丹鳴(になる)岳(1039.5 m).
恵庭岳は山頂部の特に南東側の露岩部が大規模で,降雨時の土石流発生が危険視される区域となっており,最近では 2014 年夏に大規模な土石流によって道路災害が発生している.
右写真下は,活火山の樽前山(1041 m)と風不死岳(1102.3 m).樽前山は冠雪部の上に溶岩ドームがあり,噴気を上げている.支笏湖周辺が活発な火山地帯であることを実感させる風景である.
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