北海道東部の白亜紀~始新世前弧海盆堆積体(根室層群)中の大規模なスランプ構造.根室層群にはいたるところでスランプ構造が観察され,『地球外天体の衝突による』と言ったジョークもある.しかし特定の層準に限定されるわけではなく,良好な海岸露頭が発達し内部構造を観察しやすいためであろう.
写真上は厚岸層に見られる,いわゆる “食い違い型” のスランプ.層理面が斜交したブロックの集積からなり,スランプ基質として扱える部分が見当たらない.写真下は霧多布層に見られる “褶曲型” スランプで,上位層との境界がないので,地層の全体が向かって左側にスライドして前進し,すべり面の抵抗で先端が転倒褶曲状になったものであろう.褶曲部の下にすべり面が見えている.
上:2010年10月撮影.北海道浜中町後静(しりしず)海岸.下:2011年11月撮影.同,霧多布・湯沸(とうふつ)海岸.
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