春別川上流の蝦夷層群中部層準には,基底部直上に特徴的な含礫泥岩体が見られる.礫の大部分は付加変成体起源のもので,その他に空知層群上部層起源と思われる凝灰質砂岩などを含む.付加体起源の礫の多くは片理を示し(下写真),青色角閃石を含むものも普通に見られる.下写真の左上には含礫泥岩の泥基質部が見える.含礫泥岩体の形成機構には不明な点が多いが,海岸の急崖脚部に集積した海底崖錐の崩壊・移動によるものの可能性がある.このような特徴的な岩相が蝦夷層群研究の中で知られていなかったのは,ある意味不思議なことである.下写真:2014年9月撮影.新ひだか町春別川上流クリノ沢.
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