南部北上帯北縁部の古生層下底部には苦鉄質火成岩体がある.写真は,ドレライト~玄武岩中に貫入するトロニエム岩の厚さ 5 - 10 cm のシート状岩脈(レンズキャップの下).弱~非変成で,やや膨縮した形状を示し分岐脈形態も見られる.右の切断研磨サンプルでは,両岩相の境界はシャープで,急冷縁は見られない.ドレライト側に境界に斜交する形態の暗色クロットが認められるが,その意味は不明である.苦鉄質岩は島弧ソレアイト的な組成を示し,その中に分化した珪長質深成岩が貫入していることになるが,貫入の前後関係はかならずしもクリアとは言えない.下條ほか(2010)により,相当岩相から 470 Ma(中期オルドビス紀) のジルコン年代が得られている.1985年頃撮影(詳細時期不明).岩手県宮古市タイマグラ林道(詳細位置不明).
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