これぞパノラマ:ウルトラワイド
はじめに
さて,トリは,究極のワイドパノラマ写真です.さすがにこういうのは,なかなか作れません.運と機会とやる気,ですね.
雪のデルタ.札幌市郊外某雪捨て場の内部に見られる大規模なフォアセット成層構造です.これはいったい何枚を合成したのか...それにしても“雪の地層”って面白いですよね.降雪地帯の住民でなかったら,『住宅造成地の端っこの崖に傾斜した砂岩・泥岩互層が露出している』としか思えないかも.白い部分は凝灰質かあるいはチョーク質とか考えたりして.
これもすごいな...夕張市千鳥が滝,川端層タービダイト砂岩層下底部のソールマークです.フルート+グルーブ主体ですが,荷重痕が混ざっています.こういう有方向性の構造は,これだけワイドなパノラマ写真で初めて本領発揮という感じがします.
積丹半島旧豊浜トンネル付近の海岸斜面を海上から撮影したものです.右側のセタカムイ岬から旧・旧セタカムイトンネルの古い覆道,さらに白く見える旧セタカムイトンネル坑口から旧覆道が左に伸びて...そのずっと左側の道路に土を盛って芝生つけたようになっているところが旧豊浜トンネル坑口の事故現場です.さらにその左のチャラツナイ岬まで一連のパノラマ写真というのは,おそらく誰も持っていないのでは? これだけワイドなパースになると,さすがに貼り合わせの問題で,真ん中右の覆道出口付近で海岸線が折れ曲がってます.
夕暮れに淡く映える早春の十勝岳連峰です.趣味用一眼デジ Pentax *istD の135mm望遠(35mmカメラで200mm相当)で撮ったものを貼り合わせました.もうかなり暗かったのですが,さすが一眼デジという画質で撮る事ができました.オリジナルサイズだと山肌の火山地形の一つ一つが手に取るようで,けっこう感動します.十勝岳火口は真ん中左にありますが,けっこうな噴気の量でした.(2004/5月)
最後はのどかな風景でしめましょう.馬追丘陵東麓から遠望した夕張山地です.季節は初冬.まんなかちょっと左の少し大きな積雲が浮いているあたりの右下に,夕張岳が見えるんですが,このときは一瞬見えただけで雲に隠れてしまいました.残念.で,PhotoStitch の話をすると,このパノラマ合成で非常に感心するのは,空の部分の階調差をほんとうにうまく補正している点です.貼り合わせ前のオリジナル見ると,無理だと思うくらいのものなので.さすがに逆光になっている右側では階調差が大きくて一部補正しきれなかったようですが.