家電メーカの高倍率ズームコンデジ:PANASONIC Lumix DMC-TZ5


※ Lumix TZ5 ギャラリー ※

(2010/02/27更新)


・DMC-TZ5 を買った理由

 キャノン IXY900IS に特に大きな不満があったわけではないのですが,1年半も使ってくると;
  ・広角側での画面四隅の画質がやっぱりどうもね.
  ・望遠側の焦点距離がちょっとなんだけど足りない.
  ・予想していたよりもノイズが少なくない.結局 ISO400 までか.
  ・撮影時に露出情報が分からない.
  ・電池残量が無くなる直前まで分からない.
  ・普通の(多くの)ソフトでは AUTO ISO 時の ISO 値を読み取れない.
  ・動画撮影時にズームすると汚いデジタルズームに.
...等々の小さな不満が積み重なってきました.

 それではそろそろ買い換えようかと思ってリサーチしてみると,IXY 購入時にも引っかかってきた Lumix のいくつかの機種が候補にあがってきました.FX500, FX35, FX37, TZ5...IXY900 購入時には Lumix はそのブリキっぽい質感で即却下となったのですが,現機種はまあまあでした.他のメーカではリコーR8 やカシオZ200 も候補でしたが,レビューを見たり触ってみたりして候補からさらりと消えました.愛するペンタックス Optio は W60 でやっと 28mm 始まりとなりしかも5倍ズーム.これで手ブレ補正さえ付いてれば即決められたんですけどね...残念.

 FX35, 500, 37 の 25mm(相当)始まりの広角ズームは魅力でしたが,FX35, 500 の四隅画質はどうも?でした.やっぱり無理してるのかな...? FX35 は所詮4倍ズームだし,FX500 はタッチパネルがどうも不安でした.新製品 FX37 の四隅画質はレンズが改良されているのか 25mm としては驚異的だし5倍ズームなんですが,実売価格が4万円台となると,どうも食指が伸びない.まだ発売されてないし.

 そんな時,TZ5 は動画撮影時の光学ズームとAFが可能という話を聞き,一気に候補のトップにあがってきました.28mm相当だけど四隅画質は問題なさそうだし.10倍ズームというのは正直言って私には不要なんだけど,高倍率ズーム機としてはけっこうコンパクトなので,あればあったで便利かな,と.



 あれこれ悩みましたが,結局動機としては『こんなに世の中で売れている Lumix というメジャーなデジカメがどんなものか』自分で確かめてやろうという点が大きかったと思います.ヨドバシで聞いてみたら \29,800 のポイント 16% ということで,その場で買ってしまいました.

 しかしまあ買ってみると,格好の悪いカメラです.特にモードダイアルが最悪の部類.デザインセンスが家電屋らしく野暮ったいというか...(^^; まあしばらく使ってみましょう.

(2008/08/06)


以下,記事は新しいもの順です.

 下でワイド端でのマクロモードの話を書きましたが,TZ5 には,もう一つテレマクロモードというのがあるんでした.と言っても,そういう設定があるわけではなくて,マクロでテレ側にするとそうなるよ,というだけのものですが.

 で,これがどうも分かりにくいので,マクロモードで焦点距離に応じて最短撮影距離がどう変わるのかをチェックしてみました.焦点距離は 35mm換算値です.

焦点距離 最短撮影距離
28 mm 0.05 m
40 mm 0.1 m
55 mm 0.15 m
67 mm 0.2 m
72 mm 0.3 m
(この間) 0.4 m〜0.8 m
89 mm 1 m
112 mm 2 m
238 mm 1.5m(TELEMACRO表示)
256 mm 1.2 m(TELEMACRO表示)
280 mm 1 m(TELEMACRO表示)

 要するに 240 mm以上で最短が 1m までになるということですが...あまりメリットはないような.
 とりあえず,テレ端でこのテレマクロを使ってみると...



 これが最短ですが,全然マクロという風には見えないですね.おまけに 280 mm 相当となると手ブレもきついし,ただでさえ甘い TZ5 のテレ端.等倍クロップでこんな感じです.



 ISO200 なので,その分ノイズで細部が潰れているということもありますが...まあ,無いよりマシ,といったところでしょうか.

(2009/02/07)


 その後のバッテリー寿命ですが,コンスタントに 500枚前後で推移しています.この中には,動画撮影を何回か含んだ状況のも含まれていますので,非常に満足すべき結果だと思います.

(2009/02/07)


 やっと2回目のバッテリー交換の結果が出ました.なんと!588枚!! これなら大満足です.

 ただし,いかにも電池を食いそうな動画撮影での状況がまだ掴めないので,無条件で喜んで良いのかは分かりませんが.

(2008/09/12)


 TZ5 買って以来,どうも『手ブレ補正の効きが弱い』ような気がしています.無意識的に焦点距離の長いほうを使ってしまうせいかもしれないのですが...まさか故障してるんじゃないだろうな?? どうも気になるので,チェックしてみました.

 焦点距離は中庸ということで,58 mm相当.ISO 400〜800 でシャッター速度は 1/10s という条件で,近接被写体に10回シャッターを切り,そのブレの程度をカウントしました.

off mode 1 mode 2
blur 2 8 2 3
blur 1 1 5 3
non-blur 1 3 4

 blur 2 というのは縮小表示でもぶれていると分かるもの.blur 1 は等倍表示でぶれているのが分かるもの.non-blur は(とりあえず)ぶれてないと判断されるもの,です.

 たしかに手ブレ補正は効いていました.mode 1 と mode 2 の違いは有意ではないようです.mode 2 の方が効くという話だったのですが.

 正直,CMであれだけ“ブレない”を歌う限りは,もうちょっと効いて欲しいような気もしますが...まあ,とりあえず納得しました.

(2008/09/05)


 こんな写真が撮れてしまいました...今のところこの1枚だけですが.



 まあ,SDカードへの書き込みエラーということになりますが,なんだか不安ですね.そういえば一回だけですが,同じカード(エレコム 1GB:中身はなんだか知らん)で電源入れたとき読み込みエラーが出たときがありました.K20D でも使っていたものですが,そのときは特に問題はなかったんですけどね.

 もう一回エラーが出たらこのカードは捨てることにします.

(2008/09/04)


 バッテリーのもちの結果が出ました.なんと!253枚 orz...CIPA 規格で 300枚のはずだったんじゃないですか〜...>パナ.
 たしかに購入直後でメニュー設定や動画撮影テストなんかの,枚数に寄与しないことをあれこれやったことは事実ですが,購入後すぐに;
 ・LCD 明るさ -3.
 ・LCD 自動調整 off.
 ・LCD 30sec off.
 ・プレビュー表示無し.
 ・手ブレ補正モード2.
 ・ストロボ自動発光off.
 ・AF補助光off.
...という,徹底的な節電方向の設定をした結果なんで,正直言って『きわめて不満』です.

 IXY900IS は CIPA規格 250枚で,私の常用モードで 500〜700枚でしたから,TZ5 はそれ以上は確実だと思っていたんですけどね...
 バッテリー残量マークの挙動自体は,リニアに近いもので,好感が持てましたが.アラート点滅から20枚くらいは撮れたし.

 とりあえず,試用モードは抜けて通常モードに入ったので,それでどこまで行くか...でもあまり期待できないみたいな.

(2008/08/16)


 TZ5,ISO100 でもノイズが目立ち,どうも気になっています.まあ等倍で見なきゃいいんですけどね.(^^; そんな時,某フォーラムで『カラーモードをナチュラルにしたらノイズは目立たなくなる』という話を聞き,テストしてみました.

 まずは全体的な色合いですが,ISO100固定で,ナチュラル・標準・ヴィヴィッドで撮ったものです.





 けっこう違いがありますね.ヴィヴィッドはなかなか爽快な色合いだけどシャープネスがきつそう.ナチュラルは,コンデジの絵としてはどうかな...?

 次に,右側中央の部分のピクセル等倍クロップです.同じく上からナチュラル・標準・ヴィヴィッド.





 なるほど...やはりヴィヴィッドはシャープネスがかなりきつくて,ノイズが目立ってしまってますね.L版プリントとかだったらとこれがベストでしょうけど.ナチュラルはたしかにノイズが目立たなくなってますが,当然ながらコントラストも低くてネムイ感じです.

 これだったら,やっぱり標準かな?

(2008/08/16)


 LUMIX ならではの機能というか,画像のマルチアスペクト比.いまは他のデジカメでも出来るのがあるんでしょうけど...

 28mm相当で各アスペクト比で撮影し,どういう画角なのか確かめてみました.上から 16:9, 3:2, 4:3 です.アスペクト比だけではなく大きさも比較できるように,元画像の 15% にリサイズしています.







 これは LUMIX の売りの一つだと思うんですが,16:9 で横方向の画角が一番広くなるんですね.別な言い方をすれば,他のアスペクト比では CCD の横方向を全部使い切っていないということにもなりますが.

 これ見る限り,3:2 というのはほとんど使い道がなさそうです.しかし 16:9 はなかなか魅力的だな...28mm 相当が 24mm 相当になったような感じです.
 TZ5 買って何も考えずに 4:3 で(コンデジはそれが当たり前と思い込んで)使っていましたが,さてどうしようかな...?

...と書いてから良く考えてみたら,私は『縦位置写真が多い』んでした.f(^^; 16:9 で縦位置で撮ったら,それこそ不自然極まりないですよね.コンデジ王道の 4:3 でいくことにします.

(2008/08/15)


 IXY900IS で悩まされた,ワイド端の四隅画質のチェックです.これはけっこう重要.



 こういう写真のコーナー部のピクセル等倍クロップを下に.左上と右下の部分です.




 なかなかです.というか,少し甘くなってはいますが,いやな流れなどはまったくないですね.これは素晴らしい.買い換えた甲斐がありました.

(2008/08/13)


 IXY900IS では,やるのを忘れていた,マクロ撮影のチェックです.私の場合,あまり使用頻度は無いのですが.



 10円玉をマクロモード・ワイド端で寄れる最短距離まで接近して撮影しました.これが一番倍率の高い設定です.全体のシャープさに文句はありません.Optio S60 のスーパーマクロモードほどは寄れないみたいですが,レンズのズーム倍率考えるとまあこんなところかと.

 次に,中央部のピクセル等倍クロップです.



 少しフォーカスが甘いかな?という感じはしますが,かがみ込んでの手持ち 1/30s なので...けっこう素晴らしいと思います.

(2008/08/13)


 ネガティブなことばかり書いてしまったので,少しは良いところもあるよ,と.



 ワイド端28mm相当ですが,驚くべき歪みの無さ.このパキパキの直線感は,まるで K20D の DA12-24mm みたいです.Optio S60 や IXY900IS ワイド端のお茶目な歪曲に慣らされた目には,非常に新鮮です...って,これもちろんレンズが良いんじゃなくて,in-camera で歪み補正しているためなんですが.(^^; PTLens のレンズプロファイルのページでも no distortion と書かれていました.

 そういうこと考えると,いいところなのかなんだか分かりませんが.広角の歪みって,時には味のあるものですからね...補正したいときだけ補正したい,というのは一眼デジ的な考え方かな?

(2008/08/08)


 当然気になるテレ端280mm相当の遠景描写チェック.ISO100,1/400s,f4.9開放です.



 ビネットはやはり気になりますが,全体の感じはこのサイズで見るとまあまあ...で,この左上のところの等倍クロップを見ると.



 これはかなりフレアっぽいというか,にじんだ感じですね.開放だし(って,このカメラに絞りがあるのか分かりませんが),こんなもんでしょうか?

(2008/08/07)


 次は,遠景描写チェック.35mm換算の焦点距離は 62mm,ISO100,こんな写真です.



 この真ん中下のところの等倍クロップ.



 なんだかもやっとしています.多少逆光ですが,それだけでもないような.いろいろ撮ってみた感じでは,これが TZ5 の高倍率ズームレンズの特性のような感じがします.
 ちなみに,ほんの数日前に IXY900IS で同じところを撮っていました.時間帯も同じです.焦点距離は...似たようなものでしょう.(^^; そのクロップはこんな感じ.



 TZ5 よりも明らかにシャープで,コントラストは高い(タイル壁のところ)ですね.少しパープリンが出ていますが.ISO はオートですが,JpegAnalyzer でチェックしてみたら ISO80 になってました.その割には,(少し意外でしたが)ノイズの感じは TZ5 とあまり違いがありません.

 参考までに,TZ5 の絵にシャープネスを弱くかけてやって,コントラストをちょっと上げてやると,こうなります.



 ノイズが浮いてきましたが,まあまあ,IXY900 とそこそこになりましたね.ということは...?

(2008/08/07)


 それでは,感度ごとのノイズチェックです.等倍クロップです.上から ISO100, 200, 400, 800, 1600.ISO100 だけがなぜかアンダーだったので,レタッチで他の感度と同じ明るさになるように調整しています.したがって ISO100 はノイズに関しては適正露出状態よりも不利になっていますが.







 撮影後の JPEG ファイルのファイルサイズを見ただけで,ああ...と傾向が読めました.ISO が高くなるほどファイルサイズは減少しているんですね.要するにノイズ潰しでのっぺりになっていると.
 予想はぴったりでこの通り.ISO200 で既に ISO100 よりもノイズは減っています.ISO1600 ではまさに塗り絵のようです.それにしても ISO100 のカラーノイズはすごいな.最低感度で既にこうですから,“極小画素”もここまで来たのかと.

 また,ISO1600 になるとノイズ塗りつぶしの artifact というか,スペックル状のスポットが大量に(下写真).右側のアヤメ(なんですよこれが (^^;)なんかはまさに油絵状態.



 塗りつぶし絵と時に揶揄される DIGIC 搭載のキャノンIXY の高感度の方がずっと自然な感じですね.ビーナスエンジンWはVよりもノイズリダクションが弱めになっているというんだから,驚きです.一眼デジで言うと SONY α350風のアプローチですね.ノイズが残ってもディテールをなるべくつぶさないようにしている PENTAX K10D, K20D のアプローチに賛同している私としては,これはなんだかな.

 おそらく小さなサイズでしか見ない・印刷しないユーザ層がターゲットだろうから,これで正解なんでしょうけど...

(2008/08/07)


 しょっぱなからネガティブな話.(^^;



 これ,ノイズチェック用に室内で撮ったものなんですが,ワイド端で ISO100,当然開放f3.3 なのですがけっこうなビネットがありますね...あと,なぜか ISO100 だけがこのアンダー露出.蛍光灯だから?と思って2回やってみましたが,同じでした.ISO200 以上になるとアンダーではないけど,露出がかなりばらついていました.うーむ...

(2008/08/07)


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