静止画の画質は...?:Panasonic Lumix DMC-TZ30
ということで,1/2.3inch センサー+高倍率ズームというコンセプトに大きな限界を抱えていた TZ30 は,わずか1年ちょっとで買い替えとなりました.
撮影枚数は 3945 枚.4千枚に届きませんでした.そのうち,ものになった写真はたったの 721 枚です.コンデジで写真を撮るという行為が,私の中で少し飽和してしまっているのかもしれません.高倍率ズームコンデジを買うことはもうないだろうな...と思っています.バッテリーのもちは TZ20 より少しだけよく,平均 472 枚でした.これはまあ素晴らしい数値だと思います.
(2014/01/11)
・Lumix TZ30 を買った理由
Lumix TZ20 には...一つの大きな不満があったわけです.たった一つです.それは『望遠側の静止画画質』,それだけでした.具体的には TZ20 のぺージを見ていただきたいのですが,“コンデジ写真を等倍で見るからよ”では済まないような気がします.
その不満は TZ30 で解消されるのか? まだ分かりません.不安と期待が入り混じっています.ネットの評判では,少なくとも TZ7/10 並みとか...さて,どうなんでしょうか.自分で買って確かめてみないとほんとうのところは分かりませんからね.
今回は色は普通のブラックを選びました.レンズ周りがブラック〜ガンメタなので,クルマの中から撮ったりする時でも,シルバーに比べて映り込みが少ないだろうという意図です.TZ30 のレッドがちょっと彩度が高くて渋く見えなかったということもあるけど.
(2012/10/13)
・バッテリーの持ち
デジカメでは常に気になるバッテリーの持ちですが...初回交換で 406枚,2回目が 513枚という,まあまあ素晴らしい結果でした.いつもダメな初回交換が思いのほか持ったのは,慣れた機種なので初期設定にそれほど時間を割く必要がなかったということなんでしょうか?
このくらい持てば十分だという結果ですね.
(2012/10/27)
・マクロ
定番の硬貨撮影で TZ30 のマクロ機能を確認してみました.ズーム2倍でAFマクロ(最短 0.1m)にしています.1倍の方が最短 0.03mになるのですが,近すぎて影になってしまうので.なお今回は,別に理由はありませんが,10円玉ではなく500円玉です.
・全体縮小
残念ながら,500円玉を視野一杯にというわけには行きません.まあでも,これくらいクローズアップできれば十分でしょう.ちなみにこれ,暗い室内で撮ったので,ISO1600 です.縮小だから当然ノイズ感は減りますが,それにしてもそういわれないと分からないレベルで,TZ30 の高感度もなかなかすごいです.
・等倍クロップ
素晴らしいです.さすがにISO1600なので,等倍で見るとブロッチ状の色ノイズが見えますが,輝度ノイズがほとんど見えないのに,塗り絵画質には決してなっておらず,シャープさ・描写も含めて,画質には文句ありません.
(2012/10/27)
・詳細遠景描写
最近の高画素コンデジセンサー(1/2.3)の画像は,ややもするとNRでぬるぬるになってしまい,SONY なんかは良く油絵画質と揶揄されています.パナの LiveMOS センサーはどんなものなんでしょうか? 細かいディテールを持った遠景写真でそのへんを確かめてみました.
テレ端での影響を回避するために,あえて中間焦点域(140mm相当)で,遠景の葉っぱの茂みを撮影しました.ISO100 です.
・全体縮小
全体の縮小画像の雰囲気は,まあまあです.で,その中央部を等倍でクロップしてみると...
・等倍クロップ
これも,けっこう驚きました.一眼デジレベルとは言いませんが,それにかなり近いです.葉っぱの一枚一枚がちゃんと描画されており,油絵的なNR塗りつぶしのところはまったくありません.ISO100 だからということもありますが,最近のコンデジの塗りつぶし油絵画質は ISO100 でもなんでも出ますからね...パナを過大評価したくはないので,もう少し事例を重ねようと思いますが,とりあえずは素晴らしい.
(2012/10/22)
・手持ち夜景
TZ20 で意外に使えた手持ち夜景モード.TZ30 の FW1.1 ではさらに画質を改善したということなので,ちょっとテストしてみました.
・全体縮小
・等倍クロップ
これもなかなか素晴らしいですね.Exif で見ると,ISO400,シャッター速度は 1/10s となっています.等倍で見てもノイズはほとんど見えず,ISO100 よりも少ないくらいです.
ただ,もっと被写体が暗くなっても,ISO感度は 400以上に上がらず,シャッター速度が遅くなってそれぞれのショットが手ぶれしたためか,合成結果はぼけぼけでした.ISO1600 あたりまで自動的に上げてくれればよいんだけど.これはもしかすると,TZ30 のオートISOの仕様かもしれないので,今度 ISO1600-3200 に設定してテストしてみたいと思います.
(2012/10/22)
・逆光補正HDR
TZ20 では,ほとんどいかさまだったHDR逆光補正ですが,TZ30 ではどうなっているんでしょうか? テストしたのはこういう逆光シーンです.ちなみに,暗部補正は切っています.
・HDR off
要するに勤務先の私の部屋の窓の風景です.(^^; で,HDRモードにしてシャッター切ると,TZ20 と違って,たしかにシャッター音が3回します.やっとちゃんとしたマルチショットのHDRになったようです.その結果は...
・HDR on
うーむ...微妙なところですね.良く言えばマイルド・ナチュラルだけど,そうでない言い方をすれば,効きが弱くて物足りない.まあ,窓の外の空と雲はちゃんと階調が戻っているので,これで良しとしましょう.
(2012/10/22)
・テレ端画質
なにしろ20倍ズームということで,テレ端の画質が実際どうなのかは,買うまではかなり疑問を感じていました.TZ20 の16倍ズームより劣化しているんじゃないかと.
しかしその心配は杞憂でした.
・全体縮小
建物の壁と窓を遠景として撮ったサンプルです.全体の縮小画像はこんな感じで,少しコントラストが低くて眠く見えます.
しかしこの等倍クロップを見て,私はのけぞってしまいました.
・等倍クロップ
これは素晴らしすぎる...壁のタイルの微細な凹凸もはっきり写っています.階調エッジには,ISO100 で多少のノイズ消しの跡も見えていますが,ほとんど気にならないレベルです.
いつも思うんですが,写真撮りには“ここでこうシャッターを押せばほとんどの場合こう写る”という一貫性(consistency)が必要です.この一貫性がないと,シャッター押す時に確信が持てず,楽しくありません.TZ20 は楽しくなかったけど,TZ30 は楽しい,これは大きいです.
(2012/10/22)
・高感度ノイズ
これも定番の,高(低?)感度ノイズチェック.テスト被写体もいつものやつです.すべて等倍クロップです.ISO100 のみ,なぜかかなりアンダー目だったので,明るさなどを他の感度サンプルと同じようになるように調整しています.その分,ノイズ的にはちょっと不利な扱いを受けているかも.
・ISO100
・ISO200
・ISO400
・ISO800
・ISO1600
・ISO3200
これらのサンプルを見てすぐに気づくのは,『TZ20に比べて大幅に改善されている』ということです.それを反映して,TZ20 ではフル解像度ではISO1600まででしたが,TZ30 では ISO3200 までとなっています.その ISO3200 のノイズも,TZ20 の ISO1600 と比べて同等かそれよりも良い(ブロッチ状のノイズが出ていない)感じです.
あと気付くのは,少し大袈裟な書き方ですが,『ISO100〜ISO400までほとんどノイズ・画質が変わらない』ということです.説明なしにこれらの写真を見せられたら,正確にISO順に並べ替えることはまず無理だと思います.ISO800 で少しディテールが消失していますが,言われてそう分かる程度.ISO1600 ではさすがにNRのぬめっとした感じが目立ちますが.
ということで TZ30,高感度ノイズに関しては,かなり健闘しているというべきでしょう.ただし,この結果が“リアルワールドの写真”でも同じかというと,何となく違和感が...ISO100〜400 で,もう少しノイズは多い実感があります.おそらく,テスト画像に鋭い階調エッジがあまりないせいなのかも?
(2012/10/20)
・レンズの繰り出し
まずは恒例のレンズ繰り出し確認画像です.上がワイド端,下がテレ端.
TZ20 と比べてすぐ気付くのは,テレスコピックが2段から3段になったことです.でも,全体の繰り出し長さは,16倍から20倍ズームになったのに,ほとんど違いがありませんね.ただその分,電源オンオフ時の繰り出し・収納スピードは若干遅くなったような感じがします.
(2012/10/14)