パナ初めての?CMOSコンデジ:Panasonic Lumix DMC-TZ20
ということで,望遠側の静止画画質に大きな不満を感じていた TZ20 は,1年半ちょっとで買い替えとなりました.HX5V よりはもったと思うけど,後半は画質に対する疑問だらけで使ってましたね...
撮影枚数は 5999 枚.6千枚に1枚足りませんでした.そのうち,ものになった写真は 999 枚で,やっぱり1枚足りません.これは TZ20 の運命か...バッテリーのもちは平均 456 枚でした.こちらは素晴らしい数値だと思います.
(2012/10/13)
(2012/10/13更新)
・Lumix TZ20 を買った理由
SONY HX5V には...特に大きな不満がいろいろとあったわけです;(^^;
・シャッター切った後のプレビュー表示の長さを設定できず,off にもできない.
・シャッター半押しするとプレビューは解除されるが,その反応が悪く,すばやく次のシャッターを切れない.
・画質に関する設定がない.
・低速シャッター時の光学手ブレ補正の効きが(意外なことに)イマイチ?
・写真を全消去するとき,いちいちフォルダモードにしないといけない.
・しかもフォルダモードは電源切るとカレンダーモードに戻ってしまう.
・動作音とシャッター音の on/off や音量を個別に設定できない.
・ズームレバーの反応が悪く,行き過ぎたり.
・露出補正がメニューからしかできない.
・液晶モニタがいまさらの23万画素.ピントが来てるかどうか確認不能.
・動画撮影ボタンの位置が悪くおまけにストロークが浅いので,
親指が当たって簡単に動画撮影に入ってしまい,あわてて停止して削除...うっとうしい.
...等々の不満が積み重なりました.それ以外の最大の不満というか気に入らないのが『裏面照射CMOS』のノイズ特性です.高感度に強いとかよく言われますけど,要するにNRで潰しているだけにしか見えず,最低感度でもNRの artifact が見えてしまうのにはげっそりしてしまいます.これは私も当初知らなかったのですが,裏面照射CMOS は感光部の上下に界面が存在するため,通常の CMOS(上面のみ)に比べて必然的にノイズレベルが(2倍)多くなるんだとか.えぇ〜...そんなの聞いてねぇよぉ!?と言いたくなります.:-p
ということで,詳しいことはおいおい書いていきますが,私としては初めてのソニーのコンデジは1年持たず,結局またパナへ出戻りということになってしまいました.
もちろん,HX5V の上位機種?である HX9V を待っても良かったわけですが,どうも上の不満点の多くはそのままほとんど受け継がれているようで,おまけに『裏面照射CMOS 1600万画素』...1000万画素でさえああなのに,どうすんの? 同じセンサの WX10 のサンプル写真見て,ソニーから逃げる決心がつきました.
なお,タイトルでは“CMOS”と書いてますが,パナのは『MOS』であって CMOS ではないんだとか.詳しい技術的なことは分かりませんけど,CCD と CMOS のいいとこどりなんだとか.そのへんへの期待という意味も.
まあ,スマートなソニーのデザインとは違ってどこか無骨だけど,『写真を撮る人間』のことをあまり考えていない上から目線のソニーよりは.(^^; 色は当然ブラックにすると決めていたんですが,店頭でレッドを見て結構渋いなと感じ,そちらにしてしまいました.
(2011/02/26)
・テレ端画質
TZ20 を買って5ヶ月が経過しました.撮影枚数は3,000枚を軽く越え,全体としては大きな不満も無く満足しているのですが,購入当初からちょっと気になっていたのが,『テレ端での画質』.この評価が大体固まったので,書いておきたいと思います.
問題点は二つあります.ひとつは“アンフォーカス”,もう一つが“エッジにじみ”です.
まずはアンフォーカスから.テレ端でマンションの壁を撮ったものです.
こういう全体縮小画像を見る分には,なんか甘いな程度しか感じないのですが,等倍クロップ画像を見ると...
完璧なピンボケで,がっかりしてしまいます.もちろん,合焦音が出てから確実にレリーズしたものです.こうなってしまうのは,枚数を数えたわけではありませんが,大体テレ端で撮った写真の 10% を越える程度だと思います.したがって,『けっこうな頻度』と考えていただければ.
次はエッジにじみ.もっともこれを正確にどう呼べばよいのかは私には分かりません.百聞は一見にしかず.下のような全体縮小では,特に問題は感じません.悪くない写りです.
ところが等倍で見ると...
階調エッジの一部が,にじんでいると言うのか,フレアっぽいとでも言うのか...もちろん当初は手振れを疑いましたが,そのにじみ方を仔細に見ると特に単一の有方向性が見当たらず,手振れではないと思います.上の例で言うと,縦方向のエッジがにじんでいる部分もあれば横方向がにじんでいるのもある.隣接した縦方向のエッジでもにじんでいるところもあればそうでないところもある...どうも良く分かりません.
素人の無根拠推測になりますが,どうも 384mm相当というテレ端の焦点距離に,AF機構や手振れ補正機能や画像処理?が完全に対応できていないのではないか?と...デジ一眼の常識で言えば,16倍ズームなんてのは論外なものですから,まあしょうがないのかな?
巷では TZ10(12倍ズーム) の方が画質が断然良い,なんていう話を良く耳にしますが,このへんが原因なんじゃないかと思います.ワイド端ではこういう現象はまったく出ていないので.
どのへんのテレ領域からこの現象が出てくるのかは正確に把握していませんが,写真選別しているときの単純な感覚で言うと,テレ端付近に限られているように感じます.このへんを意識して,これから問題の幅が確認できればと思います.
(2011/07/27)
・フリーズ
TZ20 のファームウェアが4月のGW前に 1.1 に更新されました.私もさっそくアップデートしましたが...このフリーズ現象,それ以来ずっと様子を見ていたのですけど,(記憶が確かなら)一度も発生していません.
ということで,この issue,ファームアップで解消されたということにしたいと思います.
(2011/07/20)
これまでに撮影時に3回フリーズを経験しました.いずれも,撮影後SDへの書き込み時です.書き込みマークの横に赤い○が点滅した状態で無反応になり,スイッチを off にしても電源が切れません.復帰させる方法はバッテリーを抜くことだけです.バッテリーを入れて電源を再投入すると問題はなく,フリーズ時に保存中と見えた写真も無事に書き込まれています.
はじめの2回は,どちらもあるブランド(某国内有名メーカのOEM)のSDカードでの現象だったので,もしかするとカード側の問題かもしれないと様子を見ていたのですが,昨日別のブランドのカードでも発生しましたので,どうも TZ20 側の問題のような.
実害が今のところないのが救いですが,場合によってはカード・データの破損にもつながりかねない現象なので,あまりいい気持ちはしません.ファームアップで改善が入るといいですね.
なお,使用カードはいずれも他社一眼デジで使っていた SDHC Class6/10 のものですが,TZ20 で使用開始する前に,TZ20 ですべてフォーマットをかけています.
(2011/03/19)
・撮影(記録)異常
こんな写真が撮れてしまいました.(黒線枠はこちらで目安につけたもので、写真にあるわけではありません)
何枚か連続してシャッター切っているときの一枚ですが,露出が異常にオーバーになって白飛びしていて,おまけに画像の片辺にノイズバンドというか,記録(?)異常部があります.Exif 確認してみると,前後の同一シーンの写真と同じ露出値になっていますので,測光異常とかではありません.また,カードも定評あるサンの Extreme 30MB/s Edition なので,『安物カード』ではありません.
TZ5 でも似たような異常記録写真がありましたが,あれは結局その一枚こっきりで,再発はありませんでした.これもそうであることを祈ります.念のため,FW を先日リリースされた 1.1 にアップしておきましたが.
(2011/04/29)
・バッテリーのもち
4回目のバッテリー交換で,なんと撮影枚数 842 枚という枚数を記録しました.驚きです.TZ5 でもこんな数字は出ませんでした.HX5V で切れなかったレビュー表示を切れるようになったので,同一シーンでシャッター連続押しの“連写”をするのが多くなったのが要因のひとつだと思いますが,なんにせよ驚くべき数字です.もちろん,動画・ストロボ・GPSなしという使用状況ですが.
(2011/04/28)
2回目のバッテリー交換です.撮影枚数は 472 枚でした.1回目をはるかに上回る数字(というかジャスト2倍じゃないですか)で,これなら何も文句はありません.相変わらず動画・ストロボはなしで,GPSテストを1回という使用状況での話ですが.
(2011/03/17)
本日,初回のバッテリー交換となりました.撮影枚数は 236 枚.うーむ...CIPA 規格の 250 枚にも届かない数字でした.プレビュー off を含めて,節電寄りの設定での話なので,かなり不満ですが,まあ次回以降に期待することにしましょう.それにしてもストロボなし・GPS 不使用・動画撮影ちょこっと,という使用状況なんですけどね.
(2011/03/03)
・絞り画質
TZ20 のレンズはNDフィルタ挿入ではなく,『虹彩絞り』で実際に絞ることによって露出をコントロールしているようです.そこで,絞りによって画質がどのくらい変わるのかテストしてみました.
テスト方法は,ワイド端でこういう写真を絞り優先モードで F3.3 開放と F6.3最小絞りで撮り,その画質を比較する,というものです.
まずは中央部分から.上が F3.3,下が F6.3の等倍クロップ.注)同一部分のクロップにはなっていません.
次が写真左上隅の等倍クロップ.同じく上が F3.3,下が F6.3.
うーむ...意外というのか,F6.3 の方がどちらもシャープさに欠けるという結果でした.シャッター速度が 1/400s と 1/100s なので,細かい手ブレもあるのかもしれませんが,ワイド端ですからね...どうも“小絞りボケ”が出ているような気もします.
となるとあとメリットとしてはボケの量くらいしかありませんが,この実焦点距離で違いが出るもんだろうか...いずれ折をみてテストしてみたいと思います.
(2011/03/14)
・各焦点距離での画質
なにしろ 16倍ズームということで,レンズの質がどうなのか気になります.ある意味テレ端側の画質はあきらめるとしても,高倍率化でワイド側がダメになってるようなら本末転倒ですからね...ということで,ワイド端(24mm相当)・中間焦点距離(210mm相当)・テレ端(380mm相当)で,縦横模様の壁を撮り,全体の歪み具合と,写真の中央部と四隅部の画質をチェックしてみました.
まずは,各焦点距離での全体縮小画像.上から,24mm相当・210mm相当・380mm相当です.中間部は,x8 ズーム表示で190mm相当前後を期待していたのですが,実際に撮れてみたら 210mm になってました.まあいいか.あと歪みが良く分かるように,それぞれ撮影距離を変えています.それから画質は『ナチュラル・超解像on』です.
中間域〜テレ端では,ほとんど歪みがありません.それに対して,ワイド端でははっきりと樽型歪みが見られます.ちょっと意外だったんですが,ソフト補正をしてないんですかね...? テレ側はなんとなく補正しているように見えますが,そうだとすると,ワイド側ではこれが精一杯の補正結果? まあ良く分かりませんが,ワイド端の歪みは“これはいけません”というところまでは逝ってないので,まあ良しとしましょう.
次は,中央部の画質を等倍クロップで.同じく,上から,24mm相当・210mm相当・380mm相当.
ワイド端は文句ないですね.テレ端も 380mm相当という高倍率としては悪くないけど,ピンずれみたいにぼやけた部分が多いのが気になります.何枚撮っても同じでした.これは,中央から少し外れたところでまあまともに見える部分です.210mm相当は,まあこんなものかと.
次は,左上隅の画質を等倍クロップで.同じく,上から,24mm相当・210mm相当・380mm相当.
どれもシャープとは言えないけど,昔のワイド画角はじまりのズームのような周辺部のヘンな流れもないし,まあそこそこなんじゃないでしょうか?
あと,それほどコントラストの無い被写体なのでなんとも言えないけど,ワイド端でもテレ端でも色収差が全然ありませんね.これはやっぱりソフト補正をしてるんだろうな...
(2011/03/14)
・GPS記録機能
TZ20 のウリの一つである GPS のテストをやっと行うことが出来ました.TZ10 とはほとんど変わっていないようですが.
テスト方法は HX5V のときと同じで,100x30 mくらいに大きさの建物の周りを適当に撮影しながらぐるっと一回りし,その GPS データを Google Map に配置するツールを使ってプロットして見る,というものです.
赤線が歩いたルートを記憶で適当に描いたものですが,測位精度は HX5V とほとんど違わないようです.2,3枚ほどけっこう外してるデータがありますが,これは HX5V もそうでした.
撮影方向が記録されない(=方向センサーが無い)のは HX5V に比べてちょっと残念だけど,まあ無ければ困るという情報でもないし.
ちなみにアシストデータを持たない TZ20 ですが,GPS off から GPS on にして測位が完了するまでの時間はだいたい5分くらいでした.そのあとは,スイッチ入れると数秒でOKになりました.これならまあまあですね.TZ20 の GPS on はカメラのスイッチを切っても10分に1回ほど測位を続けるというものなので,ずっとこのモードにしておけば数秒で撮影に入れるわけですが,電池の消費が気になりますね...GPS on/off はQメニューから一発で入れるので,『飛行機モード』(=電源 on のときだけ測位する)は,あまり実用性は無いような.
いずれにせよ,このカメラで GPS 使うつもりのほとんど無い私には,いまいちどうでもよい話ですが,まあいざというときは単独で測位できるという安心感はあるかも.
(2011/03/14)
・手持ち夜景モード
TZ20 の手持ち夜景モードは,HX5V の手持ち夜景とほとんど同じ仕組みだと思われます.要するに感度上げて5回?程度の連射を行ってそれを合成し,ランダムノイズを軽減するということで.
ただ,HX5V の場合は,最初はこれいいなと思ったんですが,手持ちで5枚とか6枚とかなると,結局そのどれかがブレてしまい,それを合成した結果がかなり不自然になるケースに頻繁に遭遇し,結局使わなくなりました.それよりは通常モードで何枚も撮ってその中から良いものをセレクトしたほうがよっぽど良いということです.
TZ20 では,手持ち夜景モードでレリーズすると,レリーズ音が HX5V より1〜2枚分多く聞こえるような気がします.実際何枚撮っているのかは不明ですが,レリーズが多くなればその分失敗ブレ画像が合成される確率が高くなるわけで,あまり期待できないな...と.
とりあえずやってみました.信号待ちのクルマの中からのショットです.
この縮小画像見る限りでは,けっこう悪くないように見えます.ちょっとシャープさが足りないかな?という感じですが.あと露出が少しオーバー気味のような.
この写真から等倍クロップしてみると;
けっこう悪くないですね.輪郭も単一になっていて,少なくとも複数画像を合成したものとはとても思えません.下の障子の部分なんかは,NRの artifact らしいものが見えてますけど,なかなか素晴らしいです.上の空の部分にはブロッチ状の波長の大きなノイズ痕跡が見えていますが,許容範囲内でしょう.ちなみに,ISO800 と ISOAuto の上限(ISO400)を超えた感度に設定されていました.
《結論》(まだ早いか?): TZ20 の手持ち夜景モードは,なかなか優れもの.十分使える.これだったらどんどん使いたい.ただし,露出オーバー気味になるのがちょっと難点.このモードの時は露出補正 -1EV あたりがベストのような.
(2011/03/08)
・HDR モード
TZ20 の HDR モードは,『ハイダイナミック』となっていて,“合成”という文字がありません.なんとなく不安を持ちながらシャッター切ってみたところ,レリーズ音は1回のみ.うーむ...まずはノーマルのプログラムモードでの撮影です.
HDR をテストするには最適のシーンではないかと思います.外は吹雪で雪かぶった車が駐車しています.それはまったく見えませんね.そこで,HDR モードで撮影してみると;
うーむ...首傾げてしまいますね.たしかに暗部は持ち上がってよく見えるようになっていますが,ハイライト部分のとびは(ほとんど?)そのままです.何も見えません.しょうがないので,HDR モードのまま,露出補正 -1 にしてみると;
外の状況は良く見えるようになりましたが,室内の暗部は持ち上がっているけど,どす黒い感じで,全然気持ちよくありません.しょうがないので,この写真に Photomatix で Tonemapping 入れてやると;
まあたしかに HDR にはなりましたが,(当たり前ですけど)暗部が持ち上がった部分は,この縮小でも分かるとおり,すごいノイズです.
《結論》: TZ20 のハイダイナミックモードは,通常考えられるような露出ブラケットで2枚(とか)撮って合成し,というようなものではないようです.要するに,単なる暗部持ち上げに過ぎないような.
このモードには通常・アート,という効き目の設定が2種類ありますが,後者でやってみても,ハイライト部の彩度がちょっと上がる程度で,決定的な違いは見られませんでした.
せっかく MOS センサーにしたんだから,もう少しまともな合成HDRモードを搭載してもらいたいですね.
(2011/03/08)
・HX5V にあって TZ20 にもあったもの
『手持ち夜景モード』『合成HDRモード』...TZ20 にもちゃんとあったんですね.今日気づきました.要するに HX5V のように撮影モードの中にあるんじゃなくて,シーンモードのひとつなんでした.
さっそく,MS1 と MS2 に登録しました.なんだか得したような気分です.(^^; でも,その実力はまだ試したわけじゃないので,喜ぶのは早いですね.そのうち機会を見てテストしてみたいと思います.
(2011/03/03)
・TZ5 にあって TZ20 にないもの
去年まで使ってた TZ5 にあった設定で,何気なく削られたものが二つありました.
1.手振れ補正のモードがなくなった.on/off のみ.モード2という,レリーズ時のみ補正するという機能がなくなっています.常時補正ということになってるんでしょう.
2.液晶モニタの明るさ設定がなくなった.その代わり節電設定の中にモニターのパワーセーブというのがありますが,これを on にしても何が変わったのか良く分からん.
どちらも節電に関係した設定で,画質や機能性にかかわるものではないですが,ちょっと残念.
(2011/03/03)
・ポストプロセス
下で『物足りないところはレタッチで』と描いたので,ちょっとやってみました.『テレ端の解像度』の項であげた写真(ナチュラルモードでクルマの中からガラス越しに撮ったもの)を,Lightroom3.3 でいじってみました.左がオリジナル,右がレタッチ後です.
いじったところは,コントラスト・WB・輝度ノイズ,それにシャープネス・色収差をちょびっと.特に,最低感度でも見えている輝度ノイズが,Lightroom お得意のNRでディテール壊すことなくほとんど消えています.もともとシャープネス弱めのナチュラルなので,レタッチでも破綻することはありませんでした.
380mm相当の手持ちでこれだけ写ってくれれば,なにも文句はありませんね.
(2011/03/01)
・画質のベスト設定
TZ20 の画質の大体のところが分かってきたので,画質の設定のベストを探ってみました.HX5V では,そもそも設定の中に画質などという概念がなかったので,やっぱりこうでなくっちゃ.(^^;
昼休みに勤務先から望遠で撮った市街地の風景です.これを,
設定1.画質:スタンダード,超解像オフ,シャドウ補正オフ⇒つまりデフォールト.
設定2.画質:ナチュラル,超解像オン,シャドウ補正弱.
...という2種類の画質設定で撮影し,等倍クロップを見てみると;
・設定1
・設定2
どちらも悪くないですけど,私は設定2で行くことに決めました.画質:スタンダードでは,少し彩度が上がるのはいいけど,シャープネスがちょっときついみたいです.実際階調差の大きいところにはシャープネスに起因するエッジハローがはっきりと出ています.画質:ナチュラルだと,コンデジ眼にはちょっと眠いと感じるけど,そこを超解像で補っておくと,一眼デジっぽくて,なかなかいいです.NRの artifact もほとんど見えないし.
設定2で撮り,物足りないところはレタッチで,というワークフローで行くことにします.いまどきの極小画素コンデジでそもそもこういうことを考えられるというのが,変な話だけど,けっこう嬉しい.
(2011/02/28)
・一般的な画質
一般的な画質って何のことか良く分かりませんが,解像度以外の,まあなんていうか,質感とか色合いとかDレンジとか...このへんあれこれテストし出すときりがないので,これも出勤途中の車の中からスナップした写真を.
こんな写真ですが,さてどんなものかと,等倍クロップして見ると;
正直,ちょっと驚きました.もちろんコンデジですからどことなく粉っぽい感じはするけど,金属の質感とか,ペイントされたところの描写とか,すごくリアルでいいです.これは HX5V とは別物ですね.一眼デジ並みとはもちろん言いませんが,昔の 600万画素とかの良き時代の画質が戻ってきたような気がしました.言い過ぎですけど.
(2011/02/28)
・テレ端の解像度
35mm換算で 380mm相当というテレ端の画角.そうなると当然,そのへんの画質というか,解像度はどうなの?ということになってきます.なにしろ開放F値5.9ですから,絞ってどうのという話にはそもそもならないし.ということで,出勤中のクルマの中から見えた高層ビルでテレ端画質をテストしてみました.信号待ちの間に手持ちでおまけにガラス越しですから,その分を差し引いてください.
こんな写真ですが,さて細部の写りはどんなものかと,等倍クロップして見ると;
全然悪くないですね.少しフレアっぽいのと,輝度の高いところのエッジに弱い色収差が出てますが,まったく問題ないレベルです.ISO100 ですが,ノイズっぽい感じはしません.これだったらレタッチで少しコントラスト上げてやってちょこっとシャープネス入れてやれば素晴らしいものになるでしょう.
(2011/02/28)
・高感度ノイズ
ただでさえ極小画素で高感度時のノイズが気になる現状で,『1400万画素にアップ』というのは,やはりもっとも大きな不安です.
いつものように TZ20 の高感度ノイズをチェックしてみました.テスト画像はこんなもので,まったく代わり映えしません.
この各 ISO の写真から,分かりやすいところ等倍で切り抜いてみるとこんな感じです.なお,TZ20 には高感度モードで ISO3200, 6400を設定できますが,フル画素の写真ではなくなるので,割愛しています.
・ISO100
・ISO200
・ISO400
・ISO800
・IS1600
結果はご覧のとおり意外なものでした.夜の室内での撮影で ISO100, 200 はシャッター速度がすさまじいことになっているので,ディテールはこの際無視して欲しいんですが...左側のでこぼこした壁の所を見ると,ISO100 が一番ノイズが多くてざらざらに見えます.もちろん,ISO1600 ではさすがにノイズが少ないというよりは,消しまくりでディテール喪失ということになっていますしカラーノイズも消しきれていません.一番きれいに見えるのは ISO400 の画像です.
あと気のせいかもしれませんが,ISO100画像は,左側のでこぼこしたところと右側の木枠のところとで,ノイズの出方がかなり違うように見えます.後者がスムースだというか.もしかすると,最近良く聞く『場所によってNRのパラメータを変える』ような処理をしているのかもしれません.
ということで,私はこのようなNR処理がけっこう好ましいものだと感じました.HX5V みたいに最低感度でもノイズ消しまくりで artifact 出てるような処理よりはずっと良いと思います.
ただ,ノイズが少ない,ではなく少なく見える,方が画質が良いと感じるような一般ユーザにこの処理結果が受けいられるかどうかは微妙なところだな...格好の荒らしネタになるかも.『パナにはNRの技術がない』なんてね.:-p
(2011/02/28)
・絞り値
TZ20 を選んだときのきっかけは(ある意味馬鹿らしいんですが),仕様表見たとき,絞りがNDフィルターの挿入ではなく,『多段虹彩絞り』となっていたことでした.極小センサーでレンズを絞るということにどれほどの意味があるかは別として,この仕様に“萌えて”しまったわけです.まあ良く分かりませんけど.
で,撮影モードをAにしてワイド端にすると,絞りを F3.3⇒3.5⇒4.0⇒4.5⇒5.0⇒5.6⇒6.3 と,7段階に設定することができます.もちろん,開放 F5.9 のテレ端では 5.9⇒6.3 の2段階しか出来ませんが.
おそらく賛否両論あると思いますが,カメラとしてきっちりとしているな...と感じます.
(2011/02/28)
・16倍ズームレンズの伸び具合
HX5V の 10倍ズームに比べて1.6倍というズーム比...となると,特にテレ端でのレンズの伸びが気になります.さっそくやってみると...
上が起動直後のワイド端時,下がテレ端時です.“きみまろズーム”と呼ばれた頃のような驚きはないので,まあこれだったらという気がします.あとワイド端でも結構レンズが出っ張ってますね.HX5V と比べるとかなり歴然と違います.たいしたことじゃないけど,24mm相当というワイドレンズらしくないな...
(2011/02/27)