ペンタックス DA☆50-135mm f2.8 ED SDM


 なんと,ペンタから供給不足のお詫びまで出たこのレンズ,無予約でゲットできてしまいました...実はずっと考えていたんですが,16-50は画質にイマイチ不安があるので,予約キャンセルで様子見として,50-135というのは私の場合,28-75にかぶる中望遠として美味しい焦点域なんではないかと.それに画質は今のところの情報ではまったく不安がないようなので.

 で,発売日の朝ヨドのHP見たら,札幌店に在庫アリと出ていたのでダメモトで行ってみたら,予約外の1本だけぽろりとあったんですね.そのまま気絶してしまいました.

 さてはじめてのSDMレンズとはどういうものなんだろう...



 それにしても,こんなでかいレンズは初めてです.インナーフォーカス・インナーズームなので,この長さがまったく変化しないのが救いですが(下注).さすがの K10D もちっちゃく見えてしまいます.重さは...ずっしり(値段もね :-p).これはいっそう右手を鍛えなくっちゃね.

注)逆に言うと,インナーズームでなかったら,収納時はもっとコンパクトになる??

(以上,2007/07/28)


(以下,記事は日付の新しい順です)

 買ったときに一応PCモニタ撮ってテストしましたが,やっぱり気になる DA★レンズのビネット...で,今回遠景テストをやったら開放ではやっぱりけっこうなものに見えます.

 下に,絞り開放f2.8, 135mmテレ端で撮ったものと,それを PTLens でビネット補正したものを重ねてみました.



 私的に言うと,許容範囲のぎりぎりと言ったところですか...(^^; ちなみに PTLens での補正パラメータは amount=22, midpoint=10 でした.midpoint が小さいので,けっこう『dullなビネット』と言えそうです.

(以上,2007/12/17)


 気づいてみると,いままで忙しさにかまけて,DA50-135mm の遠景描写チェックをやっていませんでした.あまり気象条件が良くなかったのと,ワイド端でのテストが(下の記事の件で)出来ない状態だったのですが,とりあえずテレ端135mm での無限遠被写体でチェックしてみました.

 上から,絞り開放f2.8,f5.6, f9.0 で撮影したものの中央部等倍クロップです.





 なんと言うか...DA50-135mm のテレ端というのは,絞りに応じて素直に(しかもかなりの幅で)描写が変わるレンズだな,という感じがします.f2.8 だともやもやですが,f5.6 でもシャープとはいえませんね.だいたい f7.1 あたりからオッケーになるみたいです.

(以上,2007/12/16)


 海外有名サイト DPreview のペンタフォーラムで,DA☆50-135 の“不思議な挙動”が話題になっていました.要するに 50mm で遠景(無限遠)に合焦させるとフォーカスリングが無限遠を越えてピンボケになってしまう.135mm で合焦したあと 50mm までズームバックさせるとちゃんとフォーカスする,というものです.
 気になって自分のでやってみると,たしかに 50mm では無限遠を越えたところで合焦します.いったい実際の画像はどうなっているのか,チェックしてみました.

 左が 50mm でAF合焦させてそのままレリーズしたもの,右が 135mm で合焦させてシャッター半押しのまま50mm までズームバックしてレリーズしたものです.中央部付近のピクセル等倍クロップ.



 これを見る限りでは,ジャスピンとは言えないみたいですが,両者にフォーカスの違いはほとんどありません.でもたしかにフォーカスリングの位置は無限遠付近で少し違っているのですが...なんでだかよく分かりませんが,とりあえずオッケーということで安心しました.

 それにしてもペンタの場合,なにかというとAFの速度や安定性・精度が取り沙汰されてしまいますね...

(以上,2007/12/16)


 DA☆50-135/2.8,素晴らしいレンズで気に入ってますが,それだけではなんなので...とりあえず現時点での“cons”をあげておきます.それは...『フレア』『ビネット』『ぐるぐるボケ』の三兄弟.

 これを上から順番に示します.『フレア』だけがトリミングとリサイズで,他の二つは全体のリサイズのみです.





 フレアは,アウトフォーカス部の拡大になってますが,テレ端 f3.5 です.下のテストで開放時に出ていたフレア傾向がはっきりと.f4.0 まで絞れば消えるのかもしれませんが.
 ビネットは,人によっては『ん?なにが?』と思う程度ですが,私はそれで今まで三つレンズを捨ててますので...(^^; テレ端 f5.6 です.
 ぐるぐるボケ,これは正式にはどう呼ばれるものか分かりません.ボケの形が写真中心部を軸とする円形になるものです.要するに球面収差なのかもしれませんが.見えやすいようにコントラストをレタッチしていますが,分かるでしょうか? うまい作例がなかったので,カーテンをアウトフォーカスで撮って作ったサンプルです.115mm f2.8 です.

 さてこれらの三兄弟,いずれも軽微なもので,気になる人しか気にならないものだとは思いますが...

(以上,2007/08/11)


 次は,近景の描写チェック.まずは 50mm.こういう写真です.要するに私定番のレースカーテンですが...精細な描写や輝度エッジの様子が分かりやすい(だろう)という意図です.ただしカーテンは波打ってますので,必ずしも全体がインフォーカスではありません.というか,アウトフォーカスだらけです.したがって,クロップ部分は必ずしも一定してませんが,あしからず.



 で,ピクセル等倍クロップ.左側が中央部,右側が右下隅(付近),上から f2.8, f4.0, f5.6, f9.0.






 これで分かることは...オドロキですが,f2.8 開放から f9.0 まで画質がほとんど変わらないことです.この写真をシャッフルされたらぜんぜん区別できないでしょう.
 あ...それはもちろん『絞ってもぜんぜん画質が良くならない』という意味ではなく,『開放から十分なシャープさ・色収差の少なさ』であるということです.これはすごい.

 次は,135mm.こういう写真ですが,ボケも素直でまあまあではないかと思います.



 ピクセル等倍クロップ.左側が中央左の部分,右側が右下隅(付近),上から f2.8, f4.0, f5.6, f9.0.なお,f9.0 写真中央部は,どう見てもややフォーカス外してます.カーテンが動いたのかも?? まあ参考ということで.






 135mm 中央部ではさすがに,開放でかなりフレアっぽい甘さが出ていますね.しかし f4.0 で改善され,f5.6 で素晴らしい画質となります.右下隅では f5.6 まではかなり甘いですが,f9.0 でまあまあになってますね.悪くないと思います.周辺部での色収差は,どの絞りでもそれなりに見えてますね.

 ということで結論書くと,全体にシャープな描写で素晴らしいと思います.特に 50mm を縮小で見ると,怖くなるようなシャープさです.これはタム28-75 とは一味違った画質のような気がします.5Dじゃないですけど,本心で『買ってよかった』というところでしょうか.

(以上,2007/07/30)


 とりあえず...イメージサークルの狭いデジタル専用レンズなので,ビネットのチェックです.パソコン液晶モニタの画面をMFでアウトフォーカスにして撮影したものです.左側が 50mm,右側が 135mm,上から f2.8, f4.0, f5.6.
 なお右側の方がなんとなく暗いのは,液晶モニタの中心を外したせいで,レンズのせいではありません.





 ワイド側・テレ側ともに開放で弱いビネットがありますが,テレ側が少し強いようです.f5.6 まで絞るとどちらもビネットは消えますが,ワイド側では f4.0 でもほとんど分かりません.
 ちなみに 135mm/2.8 で写真をグレースケールに変換し,中央部と左上隅のピクセルのRGB値を見てみると,(131,131,131) と (90,90,90) でした.RGB値と輝度の関係がリニアかどうか分からないのですが,単純にRGB値で言うと,30 %ダウンということになります.それほどでもないような.

 ということで...ちょっと気にはなるけど,問題となるようなレベルではないということのようです.

(以上,2007/07/28)


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