ペンタックス DA 12-24mm f4 ED AL [IF]


 待望の(?)DA12-24mm,手元に届きました.思っていたよりずっとコンパクトで驚きました.茸の傘みたいな前面の張り出し?も,出回ってた製品写真ではフードで隠れていたので,けっこう驚きましたけど.フィルタ径が 77mm というのは分かっていたんですが,そんなに鏡筒が太くは見えなかったので,なんでだろうと思っていました.



 上から見ると,コンパクトさが分かります.DA16-45mm よりずっとコンパクトに見えます.しかしずっしりと重いです.この重さはけっこう好き.



 これは焦点距離 12mm の状態ですが,12-24mm での鏡筒繰り出しはほとんどありません.最大で数mm といったところでしょうか.一応,繰り出し最小は 16mm のあたりにあります.IF なのでフォーカス時の繰り出しはありません.

 全体に作りは非常に良く,ズームリングやフォーカスリングの動きもしっとりとしています.DA18-55, 50-200mm はもちろんですが,DA16-45mm と比べても高級感があります.

 レンズIDは予想していた 0x04FF ではなくて,0x04F8 でした.タムロン18-200が 0x04F9 に割り込んでくれたので,せっかくの DA ラインナップ?が崩れてしまいましたね.まあシグマの重複IDに比べるとたいしたことではないんですが.

(以上,2005/10/13)(2005/10/14追記)


以下,記事は新しいもの順です.

 これは実は,DA12-24mmを購入した昨年夏から気づいていたことなんですが...“色ビネット”とでも言うべき症状?です.え?そんな言葉聞いたことない? (^^;

 まずは,その実例を.



 この写真は,曇り空を背景にした廃墟写真ですが...建物の部分がアンダーになってしまったため,PhotoShop でシャドウ補正をかけています.そうすると,左右が緑っぽく,中央付近がマゼンタっぽい“色むら”がはっきりと見えてきます.

 もちろん,レタッチしたらこうなるという意味ではなくて,オリジナルでも注意すればはっきりと見えています.昨年中に気づいていたのは,『薄い雲が一面に流れる雲』とか『雪をかぶった丘と空』といったシーンです.12mmワイド端でしか気づいてませんが,24mmテレ側で出ないものなのかどうかは未確認です.

 “色ビネット”の出方を良く見ると,四隅に出るというよりは,左右両側に円筒型に出ているように見えます.この例では絞りは f8.0 で,開放(近辺)ではありません.

 ためしにこの写真をグレースケールに変換してみると...



 こんな感じで,ほとんど目立たなくなります.つまり,普通のビネットのような輝度(光量)低下ではなくて,色についての“不等性”ということになると思います.そういう意味では,結局は色収差なのかな?とも思いますが,どうもその出方が不審というか...

 さて,これは一体なんなんでしょうか...?

(以上,2006/03/16)


 DA12-24mm,色収差や周辺の流れが気になってくる場面もあるわけですが...最近,デジカメWatchのニコン広角レンズの実写テストを見て,なんだか心安らかに.(^^;

ニコンD2X/D70によるニッコールレンズ簡易描写性能テスト〜広角レンズ編(その1)

 このページの,DA12-24mm とまったく同じ焦点距離レンズと開放F値の,AF-S DX Zoom Nikkor ED 12-24mm F4G IF(170,100円!!)をみると分かります.要するに広角ズームというのは,最高級品でもこういうもんだ,ということで.

 いや〜...やっぱりお買い得な素晴らしいレンズです.> DA12-24mm.:-p

(以上,2005/11/19)


 DA12-24mm,いろいろと場数を重ねていくと,ちょっと色収差が気になる場面もあることに気づきました.



 これは,深い青空に白い建物...と色収差には一番厳しいシーンですね.この縮小でも分かると思いますが,写真周辺部で,白い壁の色のエッジがなんとなくにじんでいます.

 等倍ピクセルでクロップするとこんな感じ.



 パープルフリンジとまではいってませんが,特に red-cyan の色にじみが良く分かります.まあ,この程度で済んでいるといえばそうなので,このレンズの欠点というほどのものではないと思いますが.

 レンズの話はここまでですけど...(^^; 最近手に入れた Photoshop CS2 に組み込みの色収差補正フィルタと,以前から使っている PTLens の色収差補正で,この色収差の除去をやってみました.

 左が CS2,右が PTLens です.



 完全除去とまではいきませんでしたが,まあまあ気にならない程度まで除去できました.意外なことに...PTLens の方が除去がうまくいってるみたいな.
 また,操作のレスポンスは断然 PTLens の方が軽快で,うまく除去パラメータを設定できました.CS2 組み込みフィルタの方は反応が2テンポくらい遅れるので,スライダを調整するのがかなり難しかった.

 で...これをアニメーションにしてみるとこんな感じです.2秒おきにチェンジします.色収差除去はクロップ画像について行うことはできないので,除去を行った後にクロップしています.そのため両画像は少しズレていて,合致させると下にスペースが空いてしまいました.そのおかげでアニメーションが良く分かりますが.除去後画像として使ったのは PTLens の方です.


 まあ...この程度のもんですよ! (^^;

(以上,2005/10/29)(2005/10/30追記)


 とりあえずの初期チェックの最後,遠景写真です.天候が少し悪かったのですが,遠景をワイド端・テレ端でそれぞれ f4開放と f8 で撮影し,その中央部とコーナー部を等倍クロップしたものです.

 まずは 12mm ワイド端.



 中央部ではほとんど画質に差がありませんね.周辺部では開放でわずかにぼやけて・流れていますが,その差は非常に小さいです.この結果は正直言ってちょっと驚きました.開放右コーナーの右側がかかなり暗いですが,ビネットが少し出ているのかもしれません.窓越し撮影ですが,窓枠の干渉ではないと思うけど...

 次はテレ端 24mm です.



 こちらも開放で少し画質が落ちていますが,その差は本当に小さいです.開放の中央部が少しぼやけ気味ですが,手ぶれはないと思うんけど...かなり汚れた窓越しの撮影なので,そういうこともあるのかも.

 ワイド端・テレ端ともに,“パース歪み”は当然あるけど,全体に妙な歪曲もなく,すばらしい結果だと思います.

(以上,2005/10/14)


 これはちょっと余計な話かも...DA12-24mm の画質に関するものではありません.

 昨日,DA12-24 のビネットの有無を確認しようと,恒例の液晶モニタ撮影テストをやってみました.
 その結果出てきた絵はご覧のとおり.12mm f4 開放です.もちろん,液晶バックライトの明度むらを回避するために,十分近接してアウトフォーカスで撮っています.



 “ビネットバスター”の私としては正直言って,『なんでこんなレンズ8万円も出して買ってしまったんだ〜...(@_@)』と思いました.(^^;

 しかし下のテスト見てお分かりのように,DA12-24mm のワイド端にも,もちろんテレ端にも,ほとんどビネットはありません.

 これは思うに...(きちんとした理論考察ではありませんが),平面的な発光物を近接して撮っているのですから,その中心部と周辺部までの距離は当然かなり違ってきますよね.そうするともちろん光路長も違うし,斜めに見るわけですから,投影面での単位面積当たりの光量もまったく違ってくる...そういう原因で発生した“偽ビネット”なんではないかと.

 つまり...液晶モニタ使ってビネットチェックするのは,ワイドレンズの場合不適切なんじゃないか,というのが結論.

(以上,2005/10/14)


 建造物写真です.まずワイド端開放でビネットを確認してみました.



 ほとんどビネットは確認できません.ひどいビネットがあったら,とけっこう心配だった(上の記事参照)のですが,安心しました.

 昼休みの撮影で落ち着いてテストできなかったのですが,一応ワイド端 12mmでの細部の描写を.上が f4 開放.下が f8 の中央部付近の等倍クロップです.画角というか,アングルがぜんぜんあってませんが,ご勘弁.





 これ見ると,開放ではなんとなくもやっとした感じがありますが,f8 との差は非常に小さいです.すばらしいと思います.

 なお,画面隅の比較ですが,ちょっとばかしアウトフォーカスになっているみたいで,適切な例が撮れませんでした.

(以上,2005/10/14)


 次に恒例の (^^; レースカーテンチェックです.



 12mmワイド端でレースカーテンを撮ったものです.それぞれ,f4.0開放と f7.1 で撮ったものから,中央部と右上隅を等倍クロップしたものです.

 右上隅はさすがに開放では少しぼんやりしていますが,中央部は開放でも f7.1 とほとんど区別できません.すばらしいです.なお,開放でもこういうシーンだとビネットはほとんど見えませんでした.これもすばらしい.

 なお,画面はしで太陽に近い明るい空を背景にした部分では,レースや窓枠のはじに,弱いパープルフリンジが確認できました.絞っても変わりません.これはまあしょうがないでしょうね.

 次にテレ端 24mm.



 こちらはなんと,中央部でも右上隅でも,ほとんど画質が違いません.きわめて安定した描写です.

(以上,2005/10/14)


 夜なので,とりあえずテレビ画面で...(^^; 文字は念のため,モザイク入れてます.



 12mmワイド端の f4 開放です.癖のあるへんな歪曲はまったくありません.ビネットは開放なのでそれなりにありますが,12mm ですからこんなものかと.

 次に,画面中央部と左上隅の等倍クロップです.



 開放でこのシャープさなら,文句ないですね.シャッター速度は 1/20s だし.左上隅は少しぼやけていますが,TV画面にフォーカス合っているので,少しアウトフォーカスなのかと.妙な流れも無いし,この条件では素晴らしいと思います.

(以上,2005/10/13)


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