ローパスレスって?


 このアーティクル,K-5IIs 買えない野郎の“酸っぱいブドウ”だろう?と思ってる方も多いかと思いますが,もちろんそうではありません.それほど分厚い財布ではありませんが,K-5IIs 程度だったら,いまヨドバシに寄って買って帰ってきても何とも思いませんから.
 つまり,生来の天の邪鬼というか...巷でよく見る『一目で違う解像力』なんてセリフに,本当かぁ?!と思ってしまうのです.

 先日,こんな写真が撮れました.レンズは DA60-250.そのテレ端で,遠景の“春紅葉”を撮ったショットです.



 全体の縮小画像ですが,こうやってみるとディテールだらけで,何が写ってるかよくわからないほどです.(^^;
 この写真の隅々を等倍でチェックしてみたのですが,実にすばらしいディテールで,しかも四隅まで画質がほとんど落ちない.DA60-250,まったく良いレンズです.真ん中付近の等倍クロップは下の通り.



 わずかなモヤつきは,たしかにローパスの影響なのかもしれません(フォーカスのわずかな外れも?).しかし,これに現像ソフトでわずかにシャープを加えてやると,こうなります.



 素晴らしい解像“感”です.巷にあふれかえってる K-5IIs の“ロ−パスレスならではの解像度”写真は,私の目で見た限り,このような解像“感”と何か違いがあるものではありませんでした.私の目が節穴なのかも?!

 K-5IIs に恨みがあるわけではありませんが,単にローパスレスにしたからねというだけでは,私は K-5 のこの解像度で十分.壊れたらしょうがないけど,そうでなければ買い替える気はやっぱり起きません.
 AFの強化・ファインダの改善・UHS-I対応・処理エンジンの高速化など,カメラの基本的なところをブラッシュアップしてくれたらな...と思っています.

(2013/05/28)


 K-5IIs は買わないことに決めている私ですが,シャッターカウントが 35000 を越えた無印K-5,さすがになんとなく古ぼけてきたというか,飽きが来たというか...このままペンタックスから新モデルが出なければ,最悪『マウント替え』ということもあるのかと,少々憂鬱になっています.

 そんなとき,DPReview サイトで,興味深い画質比較を見つけました.例の定点室内撮影画像比較ツールで,D7100, D5200, K-5IIs, K-5II を比較したものです.D7100/5200 は 24M画素のローパスレス/ローパス機,K-5IIs/II は 16M画素のローパスレス/ローパス機ということになります.



 これ見てわかるように,明瞭な色モアレが出ているのは,K-5IIs だけです.また,ローパスレスではない K-5II でも,ぼんやりとモアレが見えています.D7100 はローパスレスにも関わらず,一番モアレが出やすい個所でモアレのかけらも出ていません.たまたま画素ピッチと被写体パターンの周波数が,という可能性もありますが,ちょっと気になります.
 画像の解像度というか精細さは,D7100 > D5200 >> K-5IIs > K-5II という順番になると思いますが,画素数の大小が効いていて,ローパスレスによる差はわずかかな?という感じがします.

 これはもちろん“素人考え”になりますが,同じローパスレスでも,24M画素機と16M画素機とでは,モアレの出方が違うんじゃないかと.ネットでも D7100 でのモアレの報告はほとんどないという話(ほんとかどうか知りませんが)も読みました.やっぱり多画素センサーによる“サンプリング周波数の高さ”が聞いているのかな...?

 ということで現在,D7100 に乗り換えるか,24M ローパスレスの K-3?s を待つかという瀬戸際に立っています.しかし D7100 は今そこで買えるのに,K-3?s の発売はいつになるのか,そもそも出るのかさえもわからない.Pentax China のえらいさんのインタビューでは,“under development”ではなく“being planned”と表現されているとか.この差は大きいですよね...うーむ.

(2013/05/08)


 K-5IIs登場でいろいろと話題になっている『ローパスレス』,もちろん私も強い関心を持っています.モアレや偽色などのデメリットは別として,実際解像度(・感)は,どのようなものなのか?
 とりあえず,K-5IIs を持って・買っていないので,DPReview にアップされている K-5II と IIs のサンプルRAWファイル(D-FA 50mm/2.8 Macro, F8)を使って,自分なりにいろいろと確認してみました.下は,Lightroom で現像したもののピクセル等倍クロップです.



 もちろん,左が K-5II,右が K-5IIs の画像で,さすがにローパスレスの解像度はすごいですね,一目でわかります...って,真っ赤なウソです.(^^;
 実はこれ,左は K-5II ですが,右は単にそれに対して Lightroom で Sharpness を加えただけものなんです.でも,なかなか素晴らしいですよね.

 それでは気を取り直して,本当の K-5II/IIs の比較はこうなってます.もちろん右が K-5IIs.



 これを見て,正直『大した差がないなぁ』と思ってしまいました.確かに解像度・解像感は K-5IIs が上なのは当たり前ですが,思ったほどの差ではない.少なくとも Lightroom で Sharpness 入れたものとの差よりずっと小さいです.等倍で見てこれですから,ふつうに縮小で見ると違いなんてゼロではないでしょうか? むしろ,(首の後ろの)色モアレがくっきり,の方が“一目でわかる”違いになってます.
 もちろん,こういうこと書くと必ず言われるのは,『ローパスで失われた情報をシャープネスで疑似的に補っただけだろ.その区別も分らんのか?』...はい,分らんです.デジタル写真はいずれにせよデジタル処理済み画像ですから,人間の目で見て違いが分らなければそれでOKだと.

 くどいですけど組み合わせということで,今度は K-5II に Sharpness 入れたものと K-5IIs との比較を.もちろん,右が K-5IIs.



 これ見て私は,『10万円も出して K-5IIs に買い替えるメリットはまったくない』と決心しました.これは,“K-5IIs 買えないための酸っぱい葡萄”ではありません.必要であれば現像ソフトで Sharpness 入れれば(私は通常やりませんけど)それでよいわけで.

 ちなみに,K-5IIs 画像にさらに Sharpness 入れたものも作ってみました.



 さすがにこれは“エッジ立ち過ぎ”で不自然ですね...巷では K-5IIs に Jpeg で Extra Sharpness 設定して満足している方もいるけど,それはやりすぎというか,シャープさというものに対する勘違いなんではないでしょうか?

 ということなんで,現有 K-5 で同じような Sharpness 処理を入れたサンプルを作ってみました.全体画像は,こんな感じ.レンズはタムロン28-75 です.



 で,左がオリジナルで,右が Lightroom Sharpness 入れた等倍クロップ.



 いや〜...無印 K-5 も素晴らしいですね.満足満足.

(2012/11/27)


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