AF-S での Consistencyについて
下に,『ある手』と書きましたが,こういうことです.
えっ!ついに私も長い付き合いのペンタを捨ててマウント替えですか...じゃなくて,これは某キタムラのレンタルサービスで借りたものです.これで,いろいろなシチュエーションを含んだ写真をとにかく撮りまくって,いったい,(キャノ・)ニコでは,こういう“なんちゃって合焦”が起きるのか起きないのか,起きるとすればどういう頻度なのか...もちろん,起きない・あるいは頻度極小となった場合は,潔くペンタを捨てる覚悟です.
付いているレンズは,AF-S DX 18-200 VR です.ほんとはもうちょっと明るくてズームレンジの狭いやつが良かったんだけど,これしかないということで.
で,これで JPEG FINE 設定で300枚強の写真を撮ってみました.フォーカスはすべて中央一点です.その結果は...K-7/K-5 となにも変わりありませんでした.
完全なアウトフォーカス(要するにひどいピンボケ)が15枚.なんとなくジャスピンじゃないなというのは,もう数える気もしませんでしたが,数十枚ありました.
あと,全体としては『K-7/K-5 よりイマイチ』という感じで,ジャスピンの歩留まりは K-5 の方が良いように感じます.最初カメラの液晶で見たときは,全部ジャスピンに見えて,『K-5捨ててD7000買うしかないのか...orz』と暗い気持ちになりましたが,帰ってPCに取り込んで見ると大違いでした.どうも D90 の液晶表示はシャープネスかけてるみたいですね...
もう一つ,常に話題になる“暗所でのAF”についてもチェックしてみました.ISO1600 で絞り開放・シャッター速度1/20s あたりになる暗い室内で飾り物を撮ってみましたが,D90 はAF補助光が点灯したにもかかわらず,かなりフォーカスを外していました.K-5 もやはりフォーカスは外れていましたが,その度合いは D90 ほどではなく,もしAF補助光が点灯していれば,と思わせる結果でした.
ということで結論は; 《メーカ問わずAFというもの自体の宿命》ということになりました.まあ私の腕が悪いせいもあるのかもしれませんが.K20D 以前はあまり気にならなかったので,画素数が増えてPC画面で等倍でチェックしている,というのも一因なのかも.
何はともあれ,ほっとしました.現在のペンタのAFに十分な信頼がもてたというか.キャノニコのAFに比べて,精度・信頼性では,まったくひけをとってないですよ...という理由で,この話,Pros & Cons の Reserved の項から,こちらへ移動したわけです.
(2010/11/13)
その後,撮影枚数は順調に増えて,現在 1600枚を越えました.その結果ですが...この問題については,やっぱり K-7 のときとほとんど変わってないですね.
先日は 300枚あまりの撮影を行いましたが,“なんちゃって合焦”で捨てざるを得なかったのが 40枚越え.つまり,15% 近い合焦不良ということになります.これは歩留まりとしてやっぱりつらい.この数字が,K-5 というかペンタAFの Cons に相当するものなのか,それともメーカ問わずAFというもの自体の宿命なのか...そこを検証すべく,ただいま,『ある手』を考えているところです.
(2010/11/10)
ペンタデジ一眼の画素数が増えるにしたがって,かなり気になるようになってきたのが,AFの“non-consistency”です.K-7 ではこれを,『なんちゃって合焦』(fake focus)と表現しました.要するに,AF-S での話ですが,合焦ランプが付いてシャッター切っているのに,実際にはピンボケになっている,というやつです.
いわゆるレンズやAFシステムの後ピンとか前ピンとかの話ではなく,合うときにはちゃんと合います.つまり consistent ではないわけです.
また,合焦マークが出たとき,ファインダで見てどうも合ってないなと思うときには,何度かフォーカスしなおすとちゃんと合う場合もありますが,何度やってもダメな場合が多いです.
これは,レンズによってどうのということはなく,サードパーティのレンズでも,純正DAでも★レンズでも,均しくこの現象に見舞われています.
少なくとも年寄りの私の視力では,焦点距離が 35 mmよりワイドになると,ファインダで微妙なところのフォーカスは全然(ほとんど)分からなくなりますので,これはつらい.K-7 の時は,画素数が一気に増えたせいもあるのか,ある一連の撮影シーンのほとんどが“なんちゃって合焦”でピンボケになっていたこともしばしばで,かなり凹みました.
で,K-5 で SAFOX のバージョンがやっとあがり,IX+ となりました.*istD からずっと VIII だったわけですから,なんともゆったりした流れです.SAFOX IX では,AF光学系の全面的見直しが行われ,アルゴリスムも改善されたということなので,かなり期待していたわけですが...
その結果は,微妙なところです.たしかに暗所の合焦は良くなったような気がするし,“なんちゃって合焦”の頻度も,心なしか減ったような気がする.でも,それ以上のものではありませんでした.基本的には何も変わっていないという感じです.
さてさて,この点をどう考えるか...“最後の微調整は自分の目でやれ”とか“AFってもの信じ過ぎ”とかいろいろな声が聞こえてきそうですが,やっぱり思うのは『じゃ,なんのためにAFという仕組みがあるの!?』 ですからね.
ちなみに,業務で使っているミラーレス C-AF オンリーのパナG-1 では,こういう現象にはまったく遭遇していません.仕事上の写真で“なんちゃって合焦”してくれたのでは致命的です.そもそも業務用カメラを K100D から G-1 に替えたのはそれが理由でしたから.
この問題,そもそも私の“腕”という要素もあるんでしょうけど,やっぱり位相差AFの宿命なのか? それとも『ペンタのAFの欠点』ということなのか? 結論はまだまだ出そうにありませんので,Reserved の項に入れておきます.
(2010/10/28)