バッテリーの挙動について


 下に書いた『SDMレンズでの挙動』ですが,その後複数のSDM・非SDMレンズで挙動を確認できました.結局,下にいくつか示したグラフでの inconsistent な挙動は,両形式レンズの混在使用がそのまま反映されたもので,非SDMレンズであれば K-7 やそれ以前のカメラと同じ挙動を示すことが確認できました.

 そこで,まずはデータを確認しようと,SDMレンズを非SDMレンズとでバッテリーマークが一段階違っている状態で写真を撮影し,ExiftoolGUI で,メーカノートに記録されているそのときのバッテリー電圧をチェックしてみました.使ったレンズはタムロン28-75/2.8 と DA★60-250/4 で,前者ではバッテリーマークが一目盛り表示されますが,後者に換装するとバッテリーマークがゼロになってしまう状態です.

レンズ Voltage 1 Voltage 2 Voltage 3 Voltage 4
Tamron 28-75mm/2.8 6.26 V 6.00 V 6.44 V 6.12 V
DA★60-250/4 6.25 V 5.99 V 6.44 V 6.12 V

 ということで,予想とは違って SDMレンズ装着時にバッテリー電圧が降下しているという事実はありませんでした.違いは 0.01 V というきわめて小さなもので誤差の範囲かもしれません.Voltage 1 〜 4 というのが何かも分かりません.何か測定条件を変えているのかもしれないし,単に4回測定しているだけなのかもしれません.
 ただ気になるのは,SDMレンズ装着時に Voltage 2 が 6V をわずかですが切っているということです.もしかすると...『4つの電圧値のうち一つでも6 V を切るとバッテリーマークをゼロにする』というアルゴリスムなのかも.でも,そんなシビアな条件判断するかな?普通.

 いずれにせよ,K-7 以前には見られなかった挙動なので,改善して欲しいです.単にマークの問題だけならいいのですが,SDMに換装したとたんにシャットダウン,というのはちょっと(かなり)困るので.

(2011/05/05)


 バッテリー交換5回目となりました.残念ながらバッテリーの挙動は相変わらず怪しく,Cons から抜けられそうもありません.



 今回は,なんと残量ゼロからシャットダウンを一度経てから,電源再投入で100枚以上の写真が撮れてしまいました.
 そんなことがあるのかと思うんですが,この現象の理由というか背景がだんだん分かってきました.要するに,『バッテリーが減ってきた状態でSDMレンズを装着すると残量目盛りが1段減る』事に気づきました.今回の一回目のシャットダウンは,DA★50-135を装着したときです.このあとタム17-50に換装すると目盛りが一つ回復し,その状態で100枚以上撮れてしまった,というわけです.

 SDM が電力を多少多く消費するということはあるのかもしれませんが,そんな話は聞いてないし,なにより K-7 ではこういう挙動はまったく無かったわけですから.もしかすると,CMOS とかカメラの全体的な電力消費が K-7 に比べて大きくなっていて,それが SDMレンズを付けると顕在化するということなんでしょうか...?

 いずれにせよユーザとしてはちょっと困った問題で,バッテリーに対する安心感・信頼感が持てません.何とか改善して欲しいものです.

(2011/04/05)


 バッテリー交換3回目となりました.撮影枚数は 1757 枚です.これ自体はすばらしい数字で,Pros に値するものなんですが...残念ながらその挙動がかなり怪しく,Reserved から Cons 入りとなりました.



 要するに,バッテリーマークの挙動が『あまりに振幅が大きすぎる』ということで.撮影枚数900枚を越えたところで残量マークが一つ減った,そこまでは良かったのですが,その後がいけません.フルマークに戻るのと残り一つに減るのとを 1100 枚ちょっとまで繰り返したあと,1400枚近くから 1600枚あたりまで残量ゼロとマーク一つの間を行ったり来たり.残量マークが戻るのは K-7 でも経験しましたが,これほどの振幅と波長の長さはありませんでした.こうなると,撮っていてバッテリーが実際どうなのか,予測が付きません.

 その後,残量ゼロからシャットダウンまで 160枚以上撮れたのはグッドですが,これはどうもなぁ...あと,バッテリー3個でそれぞれ全部挙動が違ったというのもマイナス要因ですね.これはおそらくファームウェアでどうにかなる範囲だと思うので,ぜひ改善して欲しいと思います.

(2011/01/04)


 K-5 のバッテリー交換2回目となりました.撮影枚数は 1560 枚です.初回から少し伸びましたが,K-7 の平均値からはまだ少ないです.
 ただ今回は,初回のような不振な挙動はほぼありませんでした.



 要するに,初回のような振幅の大きな行ったり来たりが見られず,ほぼ K-7 と同じ挙動になりました.ただ,心なしかバッテリーマークの“戻り”の期間が K-7 より長いような気はしますが.あと,初回のような,残量無しマークになったとたんにシャットダウンという挙動がなく,100 枚以上撮れましたので,文句はありません.

 全体にまだ枚数が伸びていませんが,これはまあ,これからに期待ということで.ちなみに使った2個のバッテリーは, K-7 のとき買ったスペアバッテリーで,K-5 付属バッテリーはこれから初回使用ということになります.まさか仕様・特性が変わっているとは思えませんが...カメラ内部の電源ピンが3本か2本になっているという話もあるので,ちょっと気になります.

 次回も挙動に問題がなければ,この項は“strike-out”ということになると思います.

(2010/12/08)


 K-5 の初回バッテリー交換となりました.撮影枚数は 1400 枚です.K-7 の初回は 1500枚弱でしたので,ちょっと伸びないなという感はありますが,数字としてはまあまあかと思います.なお,オフィシャルサイトの仕様表では,K-7, K-5 ともストロボ不使用で 980 枚となっていますので,消費電力についてはほぼ同等ということのようです.

 しかし,バッテリ残量マークの挙動については,K-7 に比べて,少し(かなり?)不審な点があります.



 上のグラフは,K-5 の初回バッテリー使用の際のバッテリー残量マークの経過と,K-7 での平均値を示したものです.なおマークが -1 というのは,強制シャットダウン(Battery Depleted))を表します.K-5 での数字が K-7 の平均値から相当低いのは,まあ初回だから仕方がないとして...

 簡単に言うと,@バッテリーマーク2から1の間にかなり長い(半波長200枚程度)反復があった,A1399枚目で残量マークがゼロになり,次の瞬間シャットダウンしてしまった...ということになります.
 特にAの挙動はちょっとショッキングで,K-7 では残量ゼロになってからだいたい100枚前後は撮れていたので,非常に慌てました.
 @の挙動は K-7 にも見られたものですが,10〜20枚で元に戻って,ほぼ連続的な安定した挙動を示していたので,全然気になりませんでした.

 これが,たまたま初回で,ということなのか,それとも K-5 のバッテリーマネージメントが変更されたせいなのか,あるいは K-5 と DLI-90 の相性がちょっとね,ということなのか...は,もう少し使い込んで事例を重ねないとちょっと判断できません.

 ということでこの問題,とりあえず Reserved の項に入れておきます.これからもずっと同じ挙動を示すならば,Cons の項に移動する可能性が.

(2010/11/08)


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