*istD の画質について


 まず初めに,有名なデジカメレビューサイトである dpreview で主宰者の Phil Askey 氏が *istD のレビュー記事の中に書いた文章を引用しておきたいと思います.

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Probably the single biggest 'issue' is the apparent softness of images straight from the camera, however it does seem to me that this was a conscious decision made by Pentax's engineers in an attempt to avoid adding artifacts to the image which can not be removed later.
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 この文章を *istD 購入時(または購入前)に読んでいれば,私もあんなに動揺しなかったと思うんですが...f(^^;
 要するに結論は『 *istD の画質は,良くネット界隈で言われているように眠い・ボケてる,のではなくて,不要な artifact を排しユーザに選択肢を残したナチュラルなもの』ということでしょう.この点は,写真を積み重ねていけばいくほど確かな感触となってきています.
 下に,私が撮影したものからいくつか掲載し,*istD の画質について書いてみたいと思います.




 購入の次の日,記念すべき私の初*istD体験写真です.しかも,もう売り払ってしまった FA 28-105 での写真です.こういうシーンでは,このレンズも決して悪くはなかったのですが...
 ここでまず感じたのは,*istD のこのこってりとした色のりでした.これはなかなか悪くない.天気は曇天でしたが,色バランスも青みがからずによく出ています.
 ちなみに当初は,*istD の画質設定を彩度+1,コントラスト+1,シャープネス+1,に設定していたと思いますが,その後,彩度0,コントラスト0,シャープネス+1の設定でずっと使用しています.そのへんがベストかなと.



 この縮小写真ではあまり感じないのですが,オリジナルを1:1で見たとき,これが600万画素 APS-C CCD か...と感動しました.
 で,インクジェットプリンタで A3 用紙にフチなし印刷してみたら,さらに感動.以前の QV-4000 では A4 用紙でも全面印刷すると,あらが目立ってどうにもならなかったので...これはたしかに違う!(値段なりで当然か ^^;)


 ちなみに下の2枚は,*istD と QV-4000 でほとんど同じところをほぼ同じ気候・外光条件で撮影した写真からの切り出しです.写真の大きさに対する被写体の相対的な大きさがほぼ同じものを選んでありますが,QV-4000の方は等倍表示ですが,*istD の方は横幅が同じになるように縮小表示しています.もちろん2年隔てていますのでまったく同じ条件で写したというわけではありませんが...これ見ると,QV-4000 の過剰な noise reduction というか artifact てのはかなりのものだったんだな...と思います.


 ちなみに,*istD の方をリサイズせずに,同じピクセル数にトリミングしてそのまま等倍表示にするとこんな感じです.こうやってあらためて見ると 400万:600万画素という差以上のものですね.あと言うまでもない *istD のこのナチュラルさ,いいですよね...

(この部分,2004/12/11)




 さて,問題の『絵のシャープさ』です.上の写真と同じモチーフは,QV-4000 でもやってますが,*istD での結果は“どこがネムいんだって?”(^^; です.真ん中の緑の葉の葉脈を原寸表示で確認した時,*istD の画質に対する疑問は私の中で完全に消えました.これだったら,シャープネスの設定は(フィルムライクな描写を残すために) 0 で良いのかも.あとからシャープネスを加えたかったらレタッチでどうにでもなりますので.



 これはなんと言ったら良いのか...もろ逆光の川を真正面から写したものです.絞れるだけ絞られてしまい,パンフォーカスでコントラストぎらぎらのデッサンみたいな絵が出てきました.
 何を言いたいのかというと,タムロン24-135 の逆光性能もまあまあかなということと,『少し白飛びしやすい』*istD もこういうシーンではがんばっているかな?ということですね.



 この写真,『*istD だったら雲が撮れるんだな...』というか.実は私は雲が大好きなんですが,QV-4000 ではほとんど雲を撮れなかったんです.その理由はひとえに『フォーカスが合わないから』でした.遠景の木かなんかで合わせといてから AFロックでフレーム動かして,という感じでしたので,場合によっては露出がぜんぜんダメだったり.それが一眼デジでは,少し濃淡があれば簡単にフォーカスがあってしまうので,けっこう感動しました.まあ,当たり前なんですけどね.
 もうひとつこの写真では,上で書いた *istD の色のりのこってりさが青空のグラデーションに良く出ていると思います.

(以上,2004/02/28)


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