館浜の海岸風景
まずは渡島帯付加体露頭の風景である.松前町館浜・トノマ岬.妙な話であるが,北海道で付加体が海岸露頭になっているところは,イドンナップ帯の北端部や日高帯南東部などいくつかあるが,内部の構造をよく観察できるのは,渡島帯が一番である.この風景写真はそれを象徴するものか.ワケワカの海岸露頭の背景に心が和むような海岸段丘...ある意味私の地質屋原風景である(詳細は別ページにて).2009年6月撮影.
ちなみに黒々とした岩石露頭は,メランジュ(-含礫泥岩)である.手前の白っぽいのは海洋性岩石スラブ中の石灰岩・チャート互層.このような海岸露頭で,私(達)はさまざまな付加体岩相とその構造を観察することができた.ある意味ラッキーであったが,何故それを誰もほかに報告していないのだろうか...? 1980年代当時の付加体地質の闇?! 私はその毒にもろに汚染されてしまったのかもしれない.