謎の石その2-雪沢熔結凝灰岩

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陸前高田市雪沢の中流部に大転石群として私が発見したもの.明瞭なユータクシティック組織を持つ熔結凝灰岩である.石英斑晶を持つかどうかは未確認.転石の大きさや量から見て,近傍斜面~尾根に露頭があるものと推測される.

これを発見した当時は,位置からして下部石炭系中のメンバーではないかと考え,尻高沢層中に含まれる珪長質凝灰岩のソースとなった陸上火山岩体があるのではないかと少し興奮したが...よく考えてみると,単に前期白亜紀火山岩が古生層の上を不整合に覆っていて,それが今までの地質調査では認識されていないというだけなのかも.すぐ北にはかなり大きな白亜紀貫入岩体からなる天南山があるので,少し匂う.そうだとするとつまらない話だが,未確認の謎の岩石であることには変わりない.

※ 蛇足であるが,この件で産総研のシームレス地質図を見たら,下部石炭系(尻高沢・有住・大平層)の凡例は以下のようになっている.

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Igneous rocks

Age: Paleozoic Carboniferous

Lithology: dacite, rhyolite & trachyte lava & pytoclastic rocks

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いくらなんでもこれはいい加減過ぎると思うが,誰が一体こんなものを書いたのだろうか...なにより特徴岩相の玄武岩がない.これらの地層が『火成岩体』とは?! “trachyte lava” なんぞ長い調査の経験の中で私は見たこともない.何を参照してこんなものを作ったのだろうか? もしかしてアレ(何とは言わないが)かな? あと“pytoclastic”とはなんじゃらほい.

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