小松峠礫岩(顕微鏡写真)
地徳力氏が彼の卒論の際に採集したサンプルを預かり,私が検討したもの.層準はデボン系中里層と考えられるが,下限=大野層との関係が不明で厳密には分からない.これの何がすごいのかというと,『スレート劈開の発達した粘板岩砕屑粒子を大量に含む』ということ.薄片写真から分かるように,もちろん礫岩堆積以前に形成された劈開なので,『デボン紀以前に構造変形を受けた地層がある』ということになる.そのようなものは現在の南部北上帯内部には知られていない.壺の沢片麻岩の源岩や母体変成岩(の一部)がそれだと言うことは可能であるが.