薄衣礫岩

photo10.jpg

南部北上ペルム系中の特徴的な含花崗岩礫礫岩-薄衣(うすぎぬ)礫岩.このサンプル自体は,典型的な花崗岩礫をあまり含んでいない.むしろ斑状花崗岩あるいは閃緑岩質のものが多い.帯緑色の礫は,おそらく緑レン石を生じた変玄武岩~安山岩.そうなると,加納博先生が一連の唯一無二論文で書いた通り,ペルム紀後期の島弧地質体の陸上露出を示すということに.それは坂本沢層基底礫岩のワケワカさとは異なり,堆積テクトニクス屋には至極分かりやすい.産地はおそらく模式地周辺,一関市~登米市方面と思われるが不明.

それにしても加納博先生という方は岩石屋さんであったが,私のような砕屑物テクトニクス屋の琴線を見事に弾いてくれる研究者であった.もうそういう方はもう二度と出てこないであろう.また,そういう研究分野自体も.寂しいことである.

Photo album created with Web Album Generator