私的・北海道地質百選
『材木沢の地層』

注)このサイトは本家・北海道地質百選では,石井正之さんが『当別町材木川の材木沢層』として投稿しています.ここに掲載するものは, 石井さんの投稿 とは独立したもので,すべてオリジナルです.


土取り場跡の材木沢層露頭.2011 年 5 月撮影.

 材木沢(ざいもくざわ)層は,石狩丘陵の新第三紀後期鮮新世~第四紀前期更新世の地層である(岡,1992).

 当別町材木川下流部には,材木沢層の良好な露頭がある(右写真).
 この露頭は稼行を終えた土採り場跡で,立ち入り禁止等は無く,自由に見学することができた(2011 年 5 月).2023 年 8 月現在では露頭周辺のヤブ繁茂が激しくなっている.


露頭のパノラマ写真.2011 年 5 月撮影.

材木沢層の典型的な互層.礫岩層(写真中央)は下位層を低角な浸食面で覆う.2011 年 5 月撮影.

 この露頭に露出する材木沢層は,細かな層理・ラミナの発達した砂岩・礫質砂岩・礫岩の互層からなる(右写真).
 岡(1992)によると,この部分は材木沢層の上部層で,河口~河川成の地層とされている.

 層理は一般に平板・平行であるが,非常に低角な斜交層理を示す部分もある.礫岩層は下位の砂岩層を低角で浸食している(右写真中央).


礫岩層の産状.写真上部がレンズ状礫岩層.中央部が層状礫岩層.2011 年 5 月撮影.
上:層状礫岩層の下底部.下:レンズ状礫岩層の内部構造.2011 年 5 月撮影.

 この露頭で特徴的なのは,礫岩層の産状である.大きく三つの産状が観察される.

 ① 砂岩中に礫(あるいはその濃集層)が散在するもの.
 ② 下位の砂岩層を低角で浸食する層状礫岩層.
 ③ 長さ 数 m,厚さ 1 m 以下のレンズ状岩体.岩体上部はマウンド状.

 ①は定常的なトラクション堆積物ということになるだろう.
 ②は不淘汰塊状で下底部に逆級化構造が見られ(右下写真),高密度重力流堆積物と考えられる.
 ③は下半部の構造は②に類似するが,上部に弱い斜交成層を示す部分があり(右下写真),上部の形態はマウンド状になっている.

 ②③共にチャネル堆積物と思われるが,③は上部が礫洲(gravel bar)となっているものと想像される.そのようなことがあってよいのかは分からない.

 筆者は(浅海~)河川成堆積物の堆積学にまったく通じておらず(=知識&経験欠如),正直言って上記の観察とその解釈には,皆目自信がない.
 材木沢層の堆積相について当然研究例が存在するものと思われるので多少検索してみたが,Google/Bing ともに得るところは無かった.残念である.


既存の指定など

(なし)


所在地

当別町 材木川.


サイトの状態:


参考文献

岡 孝雄(1992)石狩丘陵の新生界.地下資源調査所報告,no.63, 109-135.


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