私的・北海道地質百選
『赤泊東方の根室層群』

 浜中町幌戸(ぽろと)から初田牛(はったうし)に抜ける道道脇から赤泊(あかどまり)方向に行く道がある.すぐに狭い悪路が左に出てくるので,そこを入って進むと,海岸に出る.海岸には,根室層群の良好な露頭が広がっている(下写真).


斜面上部の露頭.2014 年 11 月撮影.

リズミックなタービダイト細互層.2014 年 11 月撮影.
泥リップアップクラストを含むタービダイト砂岩層.2012 年 5 月撮影.
礫岩タービダイト.2014 年 11 月撮影.
転石中に見られるソールマーク(グルーブキャスト).2014 年 11 月撮影.

 根室層群は,おもに薄層タービダイトと泥岩の “有律互層”(死語かもしれない)からなる(右写真).斜面上部には,厚層タービダイト互層が見えている(上写真).地層は南東(海)側に緩く傾斜しているように見える.

 『霧多布』図幅では,この部分の地層は厚岸層と塗色されているが,岩相的にはその下位の浜中層(霧多布図幅では幌戸層)とほとんど変わらない.
 このへんの根室層群の地層対比・区分については,門外漢にはとてもフォローしきれないものがあり,正直よく分からない.

 タービダイト砂岩には,大きなリップアップクラスト状の泥包有物を含む部分もある(右写真).

 また,厚層礫質タービダイト層の挟在も認められる(右下写真).含まれる礫は帯赤色の火山岩礫が多く,火山性礫岩と言っても良いようなものである.

 露頭下の転石の層理面に,見事なソールマークを示すものが散在している(右下写真).グルーブキャストを主体とする.底面に角ばった凹凸が見られるが,これはタービダイトに含まれる礫粒子によるキャストではないかと思われる.

 一部にフルート状構造や,荷重痕のような部分も見られるが,はっきりしない.


ドレライトと根室層群の接触関係.上:互層中に貫入するドレライト・シート(下の暗色部).下:接触部のクローズアップ.2014 年 11 月撮影.

 この海岸ではまた,根室層群堆積岩とドレライト・シートの間の貫入接触関係が良好に観察でき,貴重なサイトとなっている.

 根室層群互層の下位に,ドレライトシートが貫入関係で接触する(右写真上).ドレライト側には薄い冷却縁が認められるが,堆積物との混合関係のようなものはなく,平板状でクリアな境界となっている.堆積岩はやや珪質で変色しているように見え,弱い接触変成(・変質)を被っている可能性があるが,岩石学的には確認していない.

 接触面をクローズアップしてみると,ドレライト側は明瞭な冷却縁があるが,堆積岩側には変色リムや鉱物脈などは見られない(右写真下).両者の境界は小さな凹凸が多く,堆積岩の葉理を切っているように見える.


※ 本サイトに降りるための通常の道はなく,狭い作業道?を海岸まで下りていく必要がある.この道は狭いばかりでなく,2014 年現在,雨裂・ガレで非常に荒れており,普通の乗用車では無理だろうと思われる.筆者は四輪駆動の普通車で雨裂をまたぎながら慎重に降りたが,かなりの危険を感じた.海岸に着くと駐車スペースがあるのでUターン不可能という恐怖は味わわずに済んだが.
そうなると,安全なのは徒歩で降りることであるが,1 km 近くを往復する必要があり,かなりの距離と高低差(60 m 前後)で消耗する.


既存の指定など

(なし)


所在地

浜中町 赤泊東方.


サイトの状態:


参考文献

長尾捨一・石山昭三・吉田三郎(1966)5万分の1地質図幅『霧多布』.北海道開発庁,38 p.


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