私的・北海道地質百選
『浦幌層群基底不整合』
注)このサイトは本家・北海道地質百選には,『釧路岩見海岸の浦幌層群基底不整合と河川成層』として投稿し掲載されたものです.今回ここに掲載するにあたり,『河川成層』の部分を別サイトとして分離しました.
釧路市益浦の通称岩見海岸(ヘッダー・サムネール)では,白亜紀~古第三紀前弧海盆堆積体の根室層群と,それを不整合に覆う古第三紀始新世挟炭層の浦幌層群を大規模な海岸露頭で観察することができる(右写真).
地質時代のメジャーな不整合関係が,これほど大規模に露出するのは,北海道でも他に例を見ない貴重なものと言える.
不整合は,桂恋漁港西はじから岩見海岸東側にかけて観察される.
根室層群汐見層の成層砂岩は厚層で層理面はほぼ水平である(右写真上).
浦幌層群最下部別保(べっぽ)層の基底礫岩は,汐見層の上に凹凸のある浸食面をもって載っており,不整合関係が明らかである(右写真).
別保層の年代は始新世後期(ca. 40 Ma),汐見層は暁新世後期(ca. 60 Ma)である.
したがって,この不整合のハイエタス(時間間隙)は 20 mys(2,000 万年)程度ということになる.
(なし)
七山 太・亀村孝子・金松敏也,1999,釧路海岸<浦幌層群の層序と堆積システム>.道東の自然を歩く,36-41,北海道大学出版会.