私的・北海道地質百選
『バラサン岬の根室層群』

 厚岸町厚岸漁港の南西側のはじまで行くと,防波堤の付け根から向こうに巨大で荒々しい露頭が見える.バラサン岬である(下写真左).


左:厚岸漁港南西端から見たバラサン岬.基部のやや突出したあたりが礫岩層である.中央:露頭の大部分を占める含シルト岩片癒着粗粒砂岩.右:粗粒砂岩層内部の擾乱構造.2010 年 9 月撮影.
露頭最下部に露出する礫岩.大量の安山岩質礫からなる.2010 年 9 月撮影.

 岬に近づいて見ると,シルト岩片を多量に含む癒着した厚層粗粒砂岩からなっていることが分かる(上写真中央).高密度砂質重力流堆積物と考えられるが,詳細は不明である.
 砂岩層内部の構造は混沌としており(上写真右),遠望で確実ではないが,ねじれた(contorted)外形を示す薄い泥岩層が含まれているように見える(写真中央上).全体がスランプ層ということなのかもしてない.

 露頭基部には礫岩層が露出している.礫岩の礫種はほとんどが安山岩質火山岩で,円磨度は低く火山性礫岩~角礫岩とも言えるものである(右上写真).

 この特異な粗粒砕屑岩相は,君波(1990)によると根室層群の上部に相当する霧多布層で,下位の厚岸層とは不整合関係にあるとされる.しかし少なくともこの露頭では厚岸層に相当する部分は見当たらず,霧多布層の基底は露出していない.

 霧多布層の時代は古第三紀暁新世である.当時の活動的な根室帯前弧海盆の性格を実感させる露頭と言える.


既存の指定など

(なし)


所在地

厚岸町 バラサン岬.


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参考文献

君波和雄,1990,根室帯,釧路-根室地域.日本の地質『北海道地方』,43-45,共立出版.


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