【WINDOWS Ver.3】からの風


  前エッセイ『PC9801の世界』から1年半後の文章です.やっとこうなりましたか...文章に全角英数字を多用しているところなどは,いかにも時代を感じてしまいますので,あえてそのままにしてあります.最後の段落なんかは,かなり無理してるな,という感じですね.そんなこと,この▲▲支部でうまく盛り上がるはずないでしょ.(^^;
  文章中盤付近に『(下図)』というのがありますが,これはどうしても発見できませんでした.WINDOWS のデスクトップでもキャプチャしたのかな...? しょうがないので,当時のディスクの中から見つけた WINDOWS 3 アプリ(MS ACCESS)のウィンドウをキャプチャした画像を入れておきました.すごい懐かしいですね.
  あと,冒頭に載せた画像は,もちろん今回加えたものですが...当時買った海外の某画像編集ソフトに添付されていたものです.まあ,つまらん話ですが,当時の私はこの画像にシンボリックな“WINDOWS の風”を強く感じていましたので f(^^; 添えておきます. (2003/05/15)


  ▲▲▲XXX号(89年10月発行)に掲載の『PC9801の世界』では,これから私たちが使うパソコン(PC9801のことです,念のため)はどうなるか,と題して,中期的(2〜5年オーダー)視野では,32ビットCPU・マルチウィンドウ・マルチタスクの世界しかないと述べました.いまや地質屋の研究・仕事には,コンピュータによる支援(CAW: Computer-Aided Work)が普通・不可欠な状況になっています.そういう観点でわれわれが日常的に机上で行なっている仕事の態様を見てみると,実はそれはマルチウィンドウ・マルチタスクそのものです.データ表を広げて電卓で計算し,それをグラフにしたものを見ながら,論文(報告)の下書きを書いていく.議論の項の原稿を書きながら,関連した既発表論文を文献カードから検索し,そのコピーを参照する.パソコン上に同じような環境が実現できれば,つまりワープロやデータベースや表計算やらを同時に使い,それらのデータを自由に貼付けたり共有することができれば,机上研究・仕事支援道具としてのパソコンの意義は飛躍的に高まるだろうと期待されます.こういった願望の実現がどのような形でなされるのかということについては,この2−3年で基本的な決着がつく(あるいは見えてくる)だろうと書いたわけですが,それから1年半を経過した時点で,あっさりと解答が出ました.それが【WINDOWS Ver.3】(WIN3)です.

  WIN3は,現在の標準OSであるMSDOSを補完するもので,基本的には「複数のウィンドウで複数のWINDOWSアプリケーションを動かす」システムです.しかし,副次的な機能として,従来のMSDOSアプリケーション(一太郎やLotus1−2−3など)を複数起動して,キー操作一発で切り替えることができます.このようなことは,WIN3の本質である(と私は考えます)『MSDOSとはまったく異なるメモリ管理方法』と密接に関連しているわけですが,単なる末端ユーザから見れば,次のような多くの利点が指摘されます.
  無愛想な文字コマンドベースのOSであるMSDOSにはないGUI(Graphical User Interface)を持ち,アプリケーションの起動やファイル管理・システム設定などを,マウスでのアイコン操作による分かりやすい雰囲気下で行なうことができます(下図).WINDOWSアプリケーションに関しては,その操作方法(コマンド)がマウス操作を基本としてほぼ統一される(ソフトごとにメニューが異なるということがない)という利点があります.またデータ(テキストでもグラフィックでも)のアプリケーション間のコピーや共有に関しても,MSDOSの世界とはまったく次元の違う世界が用意されており,来るべき世界−マルチメディアの世界−への第1歩を,われわれ無粋な(保守的な?)98ユーザの前に提示しているように思われます.



  実際には,WIN3のマルチタスク(やMSDOSアプリケーションのウィンドウ表示)にはいろいろな問題が残っており,私たちの“願望”からはなお大きな隔たりが存在しています.しかし,ほんの7年ほど前には『パソコンで日本語を扱うなんてとうてい無理』と言われていた時期があった(私のアパートの玄関の名札は,「BASICプログラムで漢字コードを16進数で一つづつ拾い,プリンタに出力印字した」!!もの)ことを考えると,これらの問題が解決されるのはそう遠いことではないでしょう.

  なお,WIN3ユーザのデスクトップを楽しく彩るアイコン・壁紙ファイルの無料マーケット開設を企画しています.これはと思う作品をお寄せ下さい.また,システム設定やPIF作成のノウハウなど各種の情報交換の場にもしたいと考えています.「パソコンは仕事に使うもの.とにかく文章が書けたり計算ができればそれでいいんだ」などといってないで,われわれ地質屋も楽しいパソコンライフを追及してみましょう.

(M.K.)


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