QV-4000 で撮影した写真でのノイズリダクションの“効果”
カシオQV-4000は“良いデジカメ”です.しかし,その撮影画像の中には『納得できない不審な点』がいくつかあるということは否定できません.
海外の有名なデジカメ評価サイト Dpreview.com
でのQV-4000の評価記事で『aggressive noise reduction』と表現されたように,QV-4000の撮影画像には独特なノイズリダクションの効果が現れる場合があります.
まずは下の写真を見てください.霧雨の早朝の林を撮影したもので,FINEモードのオリジナル写真を縦500ピクセルにリサイズしたものです.この範囲では,なんかシャープさが足りない,程度にしか見えないかもしれませんが...
*ここから下に掲載している写真はすべて,FINEモードで撮影したJPEGの一部を切り出して等倍表示したもので,リサイズやシャープニングはしていません.ガンマ・コントラスト等については,軽微なレタッチをしています.
前景に立っている色の明るいエゾ松?の部分を切り出して見てみると,なんとこんな感じになっています.色調・階調のまとまっている部分がべったりとディテールを失っており,まるで綿細工・ロウ細工のようです.(^^;
被写体が暗く絞りは全開(F2.0)なので,真ん中の垣根状の部分にフォーカスが合って,その前後はピンボケになったのかと思いました.でも,被写体までの距離は30 m以上はあるし,距離差がそんなにあるとも思えない...そこで同じくピンボケ状になっている背景のカラマツ林のところを見てみると,こんな感じになっています.
角を出したみたいな新芽?の部分を見ると分かるように,けっしてピンボケにはなっているわけではありません.前景の松の木と同じように,色調・階調のある程度まとまっている部分だけが綿菓子細工のような感じになっています.
これがQV-4000の“aggressive noise reduction”なんでしょう.“aggressive”というのは“思い切った・積極的な”という意味もありますが,“悪性の・たちの悪い”という意味もあるようで...(^^; dpreview.com のレビュアーは,どっちの意味で使ったんでしょうか??
参考までに,このノイズリダクションのかかっている前後景の真ん中にある垣根状の部分は,下の写真で分かるように,上のようなヘンな効果はまったく見られません.
今のところ,このような“aggressiveすぎる”ノイズリダクションの結果に遭遇した例はいくつかありますが,いずれも絞り開放あるいはそれに近い条件で出る傾向がはっきりしています.しかし,その条件で必ずこうなるわけでもないようで...どうも,まだ良く分かりません.
QV-4000のISO感度は100固定であるというのは良く知られていることですが,このような撮影結果を見ていると,『もしかして自動増感してるんじゃないだろうな...?』なんて思ってしまいます.
単なる素人意見ですが,このような処理はもちろん,CCD RAW データをビットマップデータにプロセッシングする過程で入れているものでしょうから,その『効きの程度』をシャープニングや彩度と同じように,メニュー設定で可変にしてくれれば嬉しいんですけどね...ファームウェアの改訂でどうにもなるような気がするので,次回ファームアップで改善してくれればな...なんて.
(以上,2002/06/10)