ノイズリダクション(・ソフト)について
・DxO Optics Pro9 の Prime NR
このカテゴリーに書くのは,なんと2年半ぶりです.ノイズリダクションというものが RAW現像にほとんど包含されてしまって,熟成してしまったというのか...私もスタンドアローンのNRソフトで持っているのは,いまや NeatImage だけです.Noise Ninja が RAW 現像ソフト Photo Ninja に変身してしまったというのは,その意味で象徴的なことだと思います.
で,ノイズリダクションの話ですが...DXO Optics Pro が Ver.9 にアップデートされ,その目玉機能として,“Prime Noise Reduction”というのがフィーチャーされています.何でも普通のNRとは何もかもが段違いなんだとか.さっそく試してみました.元写真はこんなやつで,Pentax K-3 の ISO1600 で撮ったものです.
K-3 は2400万画素ということで,ノイズがどうのといろいろ話題になっていますので...これがNRでどうなのかと.まずは,DxO Optics のデフォルトである通常のNRで,輝度NR = 40 での等倍クロップ.
やはり,けっこうなノイズ感です.そこで,輝度パラメータを 60 - 80 まで上げてやると,ほぼノイズ感は消え,クリーンになります.左が 60,右が 80 です.
悪くないですが,ディテールはわずかに消失気味です.そこで,Prime NR の輝度パラメータ 40 でやってみると...
たしかに,ノイズ感はほぼ消え,にもかかわらずディテールは通常NR のパラメータを上げたものよりは残存しているみたいです.悪くない...んですが,一番の問題は『現像に時間がかかる』こと.それもちょっとばかし長いなんてもんじゃなくて,1枚に2分半とか...(@_@) 通常現像だと1枚が10秒程度ですから,15倍の時間がかかることになってしまいます.これは,ここぞという時に使うのならまあいいとして,何十枚もこの方式で現像したら現像時間がすさまじいことに.ちょっと常用するのは厳しいですね.
ちなみに,通常NR=40 の画像に NeatImage でNRかけてやるとこんな感じになります.
まあこれで十分じゃないかな? NeatImage は 7.1 あたりで OpenCL を使うようになり,処理速度が半端じゃなく速くなりましたから.
(以上,2014/01/16)
・NeatImage 7
ノイズリダクションソフトの老舗,NeatImage が Ver.7 にバージョンアップされました.
下に書いたようにいろいろな特徴あるノイズリダクション機能を備えた RAW 現像ソフトを使っているのなら,JPEG などのビットマップしか読めない NeatImage なんていまさらなんじゃ?と思われるかもしれませんが,そうではなく,今でも NeatImage は結構使っています.それは何に使っているかというと,HDR 作成ソフト Photomatix の出力を処理するためです.もちろん Photomatix にもノイズリダクション機能はあるんですが,これが効きがいまいちで...高感度で撮影した写真の暗部が HDR処理で持ち上がった日には,信じがたいようなノイズの浮いた画像が出てきます.これをそこそこのレベルに抑えるには,やはり専用のノイズリダクションソフトが必要だろうというわけです.
で,NeatImage 7 ですが...やはり GUI 系の一新が大きいです.上の画面キャプチャで分かるように,ノイズ周波数成分ごとのプレビューなんかも可能になっており,Noise Ninja や Noiseware なんかの追随をまったく許さない高度な出来になっています.ノイズリダクションそのものの効果はあまり変わらないような感じですが,時代の趨勢に従って 64-bit 版も用意されており,さらにマルチプロセッサ(・スレッド)対応になっており(ウィンドウのタイトルバー参照),処理速度は 6 の 32-bit版に比べて,かなりの高速化が実現されています.
このような大幅なアップデートでありながら,6 Home+ edition ⇒ 7 Home edition (Home と Home+ はひとつに統合された)のバージョンアップ料金はわずか千円ちょっとで,これはすっごい得したような気分です.
(以上,2011/05/06)
・RAW現像ソフトごとの NR 比較
いままで RAW 現像ソフトやノイズリダクションについて,このあれこれカテゴリーの中であちこちに書いてきましたが,表題のようなNR機能比較テストをやってなかったことに気づきました.
K-5 購入で,実はNR機能の優劣は私にとってはあまり実効的な意味を持たなくなってしまったのですが,なにかの際に ISO12800 だとか 25600 とかで撮らないとも限りません.
簡単なテストなのであまり深く考えず,さくっとやってみました.
まずはサンプル画像.高感度ノイズには『定評のある』(^^; K-7 ISO1600 で撮ったものです.なぜか直前の露出マイナス補正を元に戻すのを忘れてしまい,どアンダーで撮れてしまいました.そういうわけでNRチェックには最適の写真かと.
まずは撮って出しそのまま現像と,それを適正と思われる露出まで補正(+2 EV)してやったものです.
下は,この真ん中へんを等倍クロップしたものです.
現像ソフトは Silkypix 4 pro で,NR設定はデフォールト(=色ノイズのみ多少縮減)です.まあなんというか,K-7 がなんで高感度で叩かれたがよーく分かるみたいな.ISO1600 でこれでは,ちょっときつい.
次に,上から,Silkypix4 pro,Bibble pro 5.1,CaptureOne Pro 5.2,Lightroom 3.2 でそれぞれ最大のNRパラメータ(色・輝度とも)をかけたもの.
なんというか...現像ソフトでこれほど結果が違うとは正直言って思ってませんでした.
CaptureOne のみ,『ほとんど冗談』みたいなものになっています.塗り絵どころか,水でふやかした水彩画みたいです.なにかの間違いではないかとも思うのですが,これが仕様のようです.そこで,NR最大からちょっと落としたものと,自分的にこんなところが許容できるNR最大かな?と思われるところまで落としたものを下にあげます.ちょっとパラメータを落としたものは,まさに“塗り絵”そのものですね.
結論から言うと,高感度ノイズリダクションは,Lightroom3 の圧勝だと思います.ノイズ除去してもシャープネスと細部描写がほとんど失われていないのが素晴らしいです.もちろんノイズ除去に伴う artifact は出ていますが.
次点は Bibble というか,それにビルトインされている Noise Ninja ですが,ノイズ除去の不均質性から来るノイズの密度変動が惜しいですね.
3位は大きく離されて Silkypix.これはノイズ除去に伴ってシャープネスが失われ,かつノイズの塊の残渣(blodgeとでも言うのか)が見えているのがマイナスです.色ノイズも取りきれているとは言えません.
で,CaptureOne は論外番外ですか...最大までかけなければまあまあだけど,どうも消し方が汚いというか.
これらサードパーティ現像エンジンと,K-7 ビルトインの JPEGエンジン(PRIMEII)との違い・優劣はどのよう暗ものなのか,非常に興味がありますが,RAW+ で撮ってなかったので,今回はお預けです.PCDU4 のエンジンは PRIME とは違うようですので.
(以上,2010/10/19)
・Noiseware
...というソフトを買ってしまいました.これもまあ \3000台の安いものなので.
NeatImage, NoiseNinja を持っているのになんでこんなのを買ったかというと...自分でもよう分かりません.f(^^; まあなんと言うか,勢い,かと.
(以上,2008/11/19)
・Noise Ninja 2
...というソフトを買ってしまいました.まあ \3000台の安いものなので.
NeatImage を持っているのになんでこんなのを買ったかというと...Bibble を Pro バージョンにアップグレードしたら,Noise Ninja Registered という調整コントロールがあって,それをアクティベートするには,このソフトのライセンスが必要である,と.別に必要だったわけではありませんが,ここまできたら徹底的にやってみようというわけです.
ご覧の通り,NeatImage とはちょっと違った思想のノイズ削減ソフトのようだし,アメリカでは定番のソフトのようです.RAW を直接読めないのが残念だけど,それは Bibble でやればよいと.
(以上,2008/11/16)
いまさらですが...NeatImage デモ(無料)版と,私が購入した Home+ 版との違いをまとめておきます.
・保存が JPEG 圧縮率90(程度)に固定されている.
・ファイルをD&Dできない.
・バッチ変換ができない.
・Photoshop プラグインが提供されない.
・Exifデータを保存できない.
私には,最初と最後のやつが大きな違いなので購入に踏み切ったわけですが,逆に言うと無料版でもたったそれしか機能制限がないということで.有償製品版と無料デモ版とのバージョン差もほとんどないので,追加機能や改良点などもすぐに無料で使える...太っ腹というのか,製品に自信があるというのか.
でも,NeatImage が気に入った方は,ぜひぜひ製品版を購入しましょう.(^^;
(以上,2006/04/05)
NeatImage 正式版を購入したきっかけは,実は Photoshop Elements3/CS2 にありました.ノイズを消さなければいけないような場面はこれまでの私の場合,すべて“業務用途”でした.それならば,Jpeg 圧縮91固定の無料デモ版で十分だった...
Photoshop の“ハイライト・シャドウ補正機能”がどんなに素晴らしいものかは別ページで書きました.Elements 3 でこれに目覚め...シャッター切ったときの有機的なイメージを後処理で再現できるこの機能には,ほんとにハマってます.Photoshop CS2 を買ったのは,『ハイライト・シャドウ補正で Elements3 にはない詳細設定ができる』,これが唯一の理由みたいなものでした.
と・こ・ろ・が...好事魔多しというのか,これでシャドウ側の補正をかけると,埋もれていたノイズが呪いのように浮き出てくることがあるんですよね...
例えばこんな写真.左がオリジナル,右が Photoshop CS2 でハイライト・シャドウ補正をかけたものです.たとえデジ一眼使っても,素直に撮っただけでは絶対に右のようには撮れませんね.
で,この写真,ISO800 で撮っているということもあり,建物の壁などには,シャドウ補正かけると埋もれていたノイズがぞわぞわと...ここに NeatImage の出番があったわけです.
左がオリジナル.右が NeatImage でノイズリダクションをかけたもので,いずれもピクセル等倍のクロップです.フィルタの設定はデフォールトですが,ディテールを失わずにノイズが消えるという NeatImage 独特の結果ですね.まったく素晴らしい.
(以上,2005/12/27)
やっと念願の NeatImage 正式版を購入しました.と言っても,お値段は6千円そこそこのものですから,要するに『海外サイトでクレジットカードで決済するのが怖かった』だけなんですが.f(^^;
購入したのは,Photoshop Plugin の付いた Home+ エディションです.Pro エディションと比較すると 16bitイメージが扱えないのと,バッチ処理数の上限に違いがあるというだけなので.
で,この Photoshop Plugin,あまり期待していなかったのですが,思いのほか便利で...なにしろ私のメインレタッチソフトである Ulead PhotoImpact でもちゃんと動くので.ファイルを経由する必要がなくなるので,スタンドアローン版を起動することはおそらくほとんどないんじゃないかと思います.
(以上,2005/12/27)
・ノイズリダクション
*istD のところでちょっと紹介しましたが,海外もので有名なノイズリダクションソフトとして,NeatImage というものがあります.もちろん有償の商品ですが,デモ版は無料のフリーソフトになっています.で,驚いたことにデモ版といっても,使用期間の制限や大幅な機能制限があるわけではなく,通常の個人使用にはこれで十分というか...
まずこれは,暗い曇りの日の温室内で撮ったバラの花びらです.あまりに暗かったので,ISO800 で撮りました.で,それを背景を飛ばすためにプラスの露出補正をかけて,さらに撮影後にレタッチで明るさを上げています.これでみごとな『真っ白な背景に浮き出る黄色いバラの花』ができたわけなんですが,等倍で見ると,ご覧のとおりの高感度ノイズがくっきりと.
これを NeatImage でノイズリダクションしてみるとどうなるか...
ノイズリダクションのディバイスプロファイルは,画像真ん中の花びらの部分から“Auto Profile”で作成しています.ノイズリダクションの設定はデフォールトです.
まあ,ちょっとかかりすぎのような気もするんですが,花びらのエッジのディテールは失われてないので,素晴らしいですよね.もちろん設定でいくらでも効きを調整することはできますので,ディテールをもっと残すことも可能です.
ちなみに,私の持っているものでは,エーアイソフトの写真印刷ソフト『デジカメで同時プリント』が,ノイズリダクション機能を持っています.試しにこれでやってみたら,ご覧のとおり.
まさに塗り絵というか点描画みたいになってしまいました.これは,ぜんぜん使いものになりませんね.(^^;
(以上,2005/06/11)
その後,Photoshop Elements 3.0 を購入したので,これに付属の『ノイズ低減フィルタ』でもやってみました.
これはなかなかいいですね.NeatImage ほどのノイズ低減力 (^^; はないようですが,けっこう自然な感じです.ちなみに設定がいくつかあるのですが,これは最強に当たる組み合わせでやってみました.
(以上,2005/07/16)