私の銀塩カメラたち...



 私のカメラ歴(てほどでも :-p )は,幼年期にまでさかのぼります.今でもうっすらと覚えているんですが,私のおもちゃ箱の中には,ぼろぼろに壊れたカメラの残骸がありました.何というカメラかはもちろん知らないのですが,カメラ上部に折りたたみのファインダがあって,それを上に引き出すタイプのやつでした.レンズの周りに銀色のレバーがあって,それを回すとシャッターがチャージされるものだったかと...自信ないですが.
 私はこれをずっと,壊れてしまったので幼児の私におもちゃとして与えられたものだと思っていたのですが,亡くなった父が晩年に語った話によると,『あれは,俺が大事にしていたのに,おまえがおもちゃにして壊してしまったんだぞ!!』...ほんとなんでしょうか? (^^;

 その次の“私の”カメラは,実は兄のカメラでした.ヤシカのカメラで,昆虫の複眼のようなセレン露出計が付いたやつです.これはまだ私の家の引き出しのどこかにあるはずです.もちろん壊れてますが...で,探してみたら,ありました!



 ロゴを見ると,YASHICA Lynx-1000 というカメラのようです.驚くべきことにこのセレン露光計の針は,まだ動いてました.おそらく製造されてから40年以上は経っていると思うのですが.ファインダというか距離計のところが割れていますが,これはどうしたんだったかな...? しょうがないので,“アラルダイト”で接着してあります.これでもピントがずれることもなく,問題なく撮れてました.

 私は末っ子ということでわがままなところがあったのか,兄のこの大事なカメラを,勝手に自分のものにしてしまったみたいな記憶があります.ほんとなんでしょうか? (^^;
 今でも覚えているのは,中学校の修学旅行で北海道に旅行したとき,このカメラで青函連絡船から海を泳ぐイルカを撮影したことです.その写真はもう残っていませんが...このとき,兄から借りたまま自分のものにしてしまったとか? ひどい弟だな.:-p
 このヤシカは,結局,大学3年生の進級論文野外調査(1973年夏)から卒業論文・修士論文調査まで活躍しました.下の写真は進級論文調査の時のものですが,まだモノクロフィルムだったんですね.



 フィルムは大学4年生の卒業論文のとき(1974年春〜)からカラーネガになりました.この卒論ネガはまだ勤務先に残っていますが,中を見たことがないので...一体どのように(褪色とか)なっているんでしょうか?
 ...と書きましたが,やっぱり気になって,このネガを EPSON GT-X800 のフィルムスキャン機能で取り込んでみました.



 やっぱりかなり褪色してましたね...でも,X800 の褪色復元機能を使うとごらんのとおり.


 30年以上前のネガフィルムがこのように蘇るというのは実に感動的です.それにしても,YASHICA Linx ほんとによく写るカメラだったんですね...カメラだけではなくその本来の持ち主の兄と,EPSON に感謝です.m(__)m
                   (この項,2005/04/02 追記)

 その後,大学院博士課程に進学してから,一眼レフを使い始めました.といっても,実家の父から(無理矢理?)借りたものでしたが.

・最初の一眼レフ: PENTAX SP

 厳密には“私のカメラ”ではなく,父からの借り物です.少なくとも1978年あたりからはこれを使っていましたが,一体いつまで使っていたのか覚えていません.もしかすると,野外調査に行くたびに実家に寄ってこれを借り,終わったら返していたのかもしれません.また,このときからネガではなくポジフィルムを使い始めました.

 残念ながら,この古典的な一眼レフカメラに関する印象は,ほとんど残っていません.レンズは標準50mm一本でした.父は,カメラ(写真)好きではありましたが,交換レンズを集めるようなタイプではなかったのか,あるいはそういう経済的余裕がなかったのかも.

注)父の死後,このカメラは兄の手に渡っていたことが分かり,お願いして私の手元に置くことになりました.現物を眼にして見ると,SPOTMATIC ではなくて,SPOTMATIC F でした.絞り込み測光から開放測光に変更されたもののようです.レンズは Takumar SMC 50/1.4 というものでした.(2007/03/28追記)



注)以下のペンタックスカメラの写真,私が実際に使っていたものではありません.どこにも写真は残っていませんでした.ウェブから適当に拾ってきたものです.すいません.m(__)m

・最初の“自分の”一眼レフ: PENTAX K2



 これは,たしか大学院博士課程に進学してしばらくたってからのことだと思いますが,帰省すると父が『お前も自分のカメラを持て.買ってやるから』と言い出して,購入したものです.息子に自分のカメラを使われるのがいやだったのかも.(^^;
 しかし,新品を買うようなお金は実家にも私にもなく,セコハンショップみたいなところに並んでいる中古一眼レフの中から私が選んだのがこれでした.特にペンタックスを選ぶ理由があったわけではなく,レンズ資産もなかったので何でもよかったと思うのですが,父のカメラと同じメーカのものを買おうと思っていたのかもしれません.これが 1978年〜1980年前後のことだったと思います.

 これもレンズは標準50mm一本でした.このころは,一眼レフを使っていながら『レンズを交換する』という概念が私にはなかったような気がします.

 SP と同じく,この K2 も使用時の印象・記憶が特に残っていません.それだけ,ちゃんと動いていた,ということなんでしょうか...このカメラは結局,長い野外調査期間をずっとこなしてくれました.故障した記憶もありません.就職してからもしばらく使っていたので,7,8年は使ったのかな...?

・最初のオートフォーカス一眼レフ: PENTAX SFX



 はじめて“自分の金で買った”カメラです.これ買ったきっかけはなんだったんでしょうね? もうよく覚えていませんが,やはり『オートフォーカス一眼レフ』というのは大きかったんだと思う.ウェブで SFX の発売時期を調べてみたら1987年3月となっています.なんとなく春に買ったという記憶があるので,このときなんでしょうね.就職したのが1986年4月なので,記憶はあってるな.

 でも...買ってみてびっくり.バッテリー(CR-P2だったか)がパナソニックの特殊な型番しか使えなくて...実際,コンビニで買った普通のでは(立ち上がり電圧の問題とかで)起動しなかった.これはペンタックス札幌に怒鳴り込んで...その後すぐに(ファームアップで?)改善されたという記憶がある.

 オートフォーカスはさすがに便利で,ある見学会のとき,もう夕暮れで暗くなった被写体を他の参加者がマニュアルフォーカスでぜんぜんピント合わないのを尻目にオートフォーカスでぱしゃぱしゃ撮っていたら,『それ,オートフォーカスなんですか?』と注目されたということもあった.

 しかし,それ以外に特に良かったという印象もないな...よく言われるように,『格好がすごく悪かった』し.あ,レンズは,購入時に一緒に買った?35-70mmズームでした.初めてのズームレンズ体験.これはけっこう感動したけど.使用期間は6年半.

・最後の銀塩一眼レフ: PENTAX Z-1



 ペンタックスからダイレクトメールでこのカメラの発売を知り,SFX を下取りにしてすぐ購入しました.発売日は1993年9月となっています.レンズは 28-105mm,70-200mm のズーム2本で,それプラス,業務用に使うので,A50mmマクロも買いました.でも結局使うのは,ほとんど28-105mmだけでしたね.70-200mmはほとんど使った記憶がない.

 スタイルもまあまあで,けっこう使い込みましたね.特に故障とかもなかったし,SFX に比べるといろいろな意味で洗練されていたと思います.レンズ2本はどちらもパワーズーム付きで,これもけっこう好きでした.実際に手放したのは *istD 購入の2003年秋でしたが,PowerShot S10 買った1999年末からは,まったく使っていませんでした.ということで,使用期間は6年間ですね.

(以上,2005/03/31)


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