ダイナミックレンジについて


注)ここで私が書いている“ダイナミックレンジ”というのは,もしかすると,情報工学・電子工学なんかでの専門的な観点から言うとぜんぜん違っているのかもしれません.別の概念というか.まあ,素人がよく言う“ダイナミックレンジ”のことだということで...ご勘弁.m(__)m

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・ダイナミックレンジの拡大

 下で書いたように,現在のデジカメ(一眼も)のダイナミックレンジはぜんぜん満足できるものではありません.で,先日,美瑛・富良野に行って初夏の写真を撮ったとき,あらためてそれを実感してしまいました.

 これがその写真です.有名な“親子の木”ですが...『青い空に輝く雲』と『深い緑におおわれた丘の畑』とを同時に描写するのはやはり無理..なんでしょうね.これでも原版からいくらかレタッチしていますが,空の深みを残すと,畑の緑は,ご覧のとおりつぶれまくり.


 で,レタッチソフトで明るさ・コントラストのみで畑が見えるように修整するとこんな感じになります.雲は白飛びしまくり.(-_-;


 レベル調整でやると,白飛びはなんとか回避できますが,全体に白茶けた感じで,とても快いとは言えない結果です.ガンマ補正という手もありますが,結果はほとんど変わりません.


 そこで,下に書いた PhotoImpact10 のダイナミックレンジ拡大(HDR)機能を初めて自分の写真に適用してみました.オリジナルと,レベル補正したものと,そこからさらにガンマ補正加えて緑を明るくしたもの,の3枚の写真から HDR 合成したものです.PhotoImapct の HDR 機能は,写真の Exif 情報から露出を見ているらしく,同じ写真をレタッチしたものを合成しようとするとダメと言われてしまうので,DPEx の JPEGマーカ編集機能で Exif を除去してから合成しています.


 まあまあじゃないですかね.これだったら,美瑛の丘の雰囲気がなんとか出ていると思います.悪くないです.
 しかし,ここで満足しないのが私.勤務先のPCにインストールされている PhotoShop CS を使って(おいおい ^^;),その『シャドウ・ハイライト...』機能でやってみました.いろいろとパラメータがあるのですが,とにかく“絵葉書みたいな”線を狙ってみました.


 面白いでしょ? まあ,ここまでやるとほとんどハイパーリアルと言ってもいいような不自然さですが,嘘になるぎりぎりの線か.(^^;
 もちろんもっと自然にできるわけで,何枚か画像用意しなくてはいけない PhotoImpact の HDR 機能よりは手軽です.これは PhotoShop CS2 買いなさいという神のお言葉かな? :-p

(以上,2005/06/28)


・PhotoImapct10 のダイナミックレンジ拡大機能

 センササイズの大きな一眼デジでも,ダイナミックレンジの狭さというのは大きな問題です.私の *istD は白飛びにちょっとばかし粘りがないので,いつも気になっているところです.

 で...私の使ってる Ulead PhotoImpact というレタッチソフトのバージョンがあがったのでさっそく購入したんですが,ハイダイナミックレンジという機能が付いてます.といっても,露出の違う複数の写真から画像を合成して見かけ上レンジを拡大するというだけなんですが...実際にやってみると,けっこう効きますというか面白いです.



 上の写真はその例で,上からマイナス露出・プラス露出・処理済画像の順になってます.最後のやつは,実際にはマイナスとプラスとの間の露出画像をもう一枚使って3枚から合成しています.ソフトに添付されたサンプル画像から作成したものです.

 このサンプルイメージはおそらく露出ブラケッティング撮影をしているんだと思いますが,もし RAW で撮っている場合には,RAW 現像時に露出変えて1枚の写真から似たようなものを作れるかもしれません.

 こう並べてみると,デジカメの写真見慣れた眼には,一番下の処理済画像,なんか異様,ですよね.(^^; こんなダイナミックレンジのデジカメあるはずない.でも...実はそれこそが,人間の眼(と大脳処理系)のダイナミックレンジに一番近いのかもしれません.
 逆光とか窓のある室内とかの写真撮ってパソコンで見ると,いつも『あっりゃ〜...』と思いますもんね.そう考えると,普通のデジカメのダイナミックレンジがその域に達するのは,いつの日なんだろうか?と思ってしまいます.

(以上,2005/04/04)


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