ペンタックスのAF
“ミラーレス一眼”がなんとなく市場の流れになりかけてきたところですが,ソニーの半透明ミラー一眼もついに出て,コンデジですがフジの位相差センサー内蔵CCDとか,最近デジカメのAFに関する新しいアプローチが話題になっています.
となると,当然出てくる話題が,『ペンタックスのAFはなぜ●●なのか?』というやつです.たしかに SAFOX VIII から10年近く何の進化もしてないわけですから,ユーザの引け目というか不満はかなりのものなんだろうと思います.K-7 では位相差センサーを二つに分けた(?)VIII+ ということで少しは期待したのですが,K20D と何も違いは感じられませんでした.
ここで私の撮影スタイルを言っちゃうと,ギャラリー見れ分すぐ分かるとおり,『ワンショット』です.したがって,個人的には AF-C の性能とか,AF追従性とかはまったく眼中にありません.
し・か・し...私はペンタックスのAFには,現状強い不満を感じています.それは cons の項にも書いた“なんちゃって合焦”です.時には,ある条件で特定の被写体を撮影した写真の7〜8割がこれでボツというケースもあって,そんなときには,『もう,ニコンに乗り換えてやるっ!!』と涙目になってしまいます.
メカニズム素人の私には良く分かりませんが,これはもしかすると『位相差AFの原理的問題』なのかもしれません.キャノンやニコンでもAFの歩留まりとかいう話は良く聞きますから.そのあるものは非追従なのかもしれないけど,少なくとも一部は“なんちゃって合焦”なんじゃないのかな?なんて勝手に想像しています.どうなんでしょうね.(=もしキャノニコにはそういう問題がないということだったら,即乗り換えます)
というわけで,ペンタックスには,AFの速度や追従性はとりあえず置いといていいから,AFの正確さというか,“なんちゃって合焦”を造らないための,いわば“AF解像度”といった点で,AFというメカニズムにブレークスルーを造ってくれないものか?と思っています.
もう一つは,ペンタックスAFに限った話ではない BF/FF 問題というやつです.いわゆる後ピン前ピンです.特に,サードパーティレンズでこれに遭遇すると眼も当てられない.新しいレンズ買うたびにびくびくしているのは私だけではないのでは?
もちろん K-7 にはAF微調整機能があり,レンズごとに異なった調整パラメータを設定できますが,実際にやってみるとけっこう難しいし,同じレンズでも,ズームレンズの場合ですが,焦点距離ごとに違う挙動が出たりして実に厄介.こういうもののお世話には正直なりたくないと思います.
この問題の元凶は,一言で言うと,撮像素子上の“フォーカス”と測距センサー上の“フォーカス”との間に必然的に『変換関数』が存在することだと思います.両者がなるべく一致するように,あれこれの調整があるわけなんでしょう.
しかし,撮像素子上でAFするならば,そういう問題は原理的に発生しない.両者は同一になりますから.要するに,コントラストAFという仕組みが十分に速くなればいいのだということに.
これについては,パナが G1 で実用上の解を出していると思います.私は業務で G1 を使用していますが,いままでAFに関する不満を感じたことがありません.“なんちゃって合焦”も BF/FF も皆無.速度は位相差AFに比べれば多少遅いのかもしれないけど,業務写真でもワンショット撮影スタイルの私には,何の違和感も感じない程度の差です.
こう考えてくると...って,私には(当然ながら)何の解もありません.ただ,ペンタックスが種々の特許の網をかいくぐって位相差AFにブレークスルー,というのはどうも考え難い.結局;
・ミラーレス.
・高精細EVF
・高速コントラストAF.
・小型化なんぞしなくてもいい.一眼レフの形がベスト.
・撮像素子はAPS-C で,フランジバックそのまま.
・したがってKマウントレンズが全部そのまま使える.
...というのがベストな道のような気がするんですけど.どうなんでしょう? コントラストAFがすべての既存レンズで高速に,というのは技術的に無理なのかな?
(2010/08/25)