K-7 は FW1.01.00.09で生まれ変わったのか?


 まず最初に断っておくと,以下に書く話は,プラシーボ・思い込み・気のせいかもしれません.いやきっとそうでしょう.そうなんだ.(^^;

 K-7,思わぬ『SDHC破壊事件』で10日間の入院の後に戻ってきました.スイッチ入れてみると,ファームウェアが更新されているのにすぐ気づきました.噂の FW 1.01.00.09 です.何が“噂の”かというと.,DPReview で,このビルド入れたら“緑の縦輝線が直った!”という書き込みがあったからです.
 この縦輝線は,私的にはセンサ自体の特性かあるいは 4ch読み込みに関連する,いずれにせよセミ・ハードな問題かと思っていたので,もしそれが本当だとすると,ファームアップで直ったというのはただ事ではありません.この話を聞いたのが K-7 入院中だったので,戻ってきたらすぐにアップデートしようかと思っていました.ちなみに,世界中のペンタ公式サイトにアップされた FW1.01 のビルドは 05 でしたが,その後こっそりとビルド09 に差し替えられています.

 で,二日間の旅行に退院してきた K-7 を持っていって300枚以上のショットを撮ったわけですが...撮っている最中,そして帰ってきてPCで現像を始めると,『明らかに何かが違う!』のです.

ノイズが著しく減少した.
・77分割評価測光の暴れがなくなった
・低コントラスト部でのAFが正確になった.

 そんなうまい話あるわけ? たかがファームウェアの単なるビルド(マイナーバージョンの下のさらに下 ^^;)の違いで?? 嘘でしょ?! 私もそう思います.

 でも体感的には,まったく上のとおりなんですよね...ノイズについては,K20Dとの比較ページに,K-7 の ISO400 は K20D の ISO800-1000 と同等と書きました.それは,カメラ出しの JPEG の話ではなくて,RAW 現像ソフトで現像するときの実感・体感の話です.それが K20D とほとんど同じになりました.ISO400 ではノイズリダクションのスライダにマウスカーソルが行くことはまったくなくなりました.露出1段以上の違いですから,この差は大きい.ISO800 の撮影も何枚かありましたが,“念のためNR少しかけとくか”といった感じでしたね.
 露出については,あちこちに書いてるように,K-7 の評価測光は実に神経質で,撮影するシーンを替えるたびに液晶モニタでプレビューを確認して,外してたら露出補正をやってまた撮り直して...K20D だとほとんど確認なしで撮りまくっても大丈夫だったので,けっこう疲れてました.それが,K20D とほぼ同じになり,暴れによる露出外しはほとんどなくなりました.わずかにオーバー目に出ることがあるという傾向は以前と同じベクトルですが,RAW 現像時の露出補正で問題なく補正できるレンジ(+0.3〜0.5 EV)のものです.まあ考えてみると,今回は K-7 露出暴れで一番ひどかった“高照度条件下”のものがそれほど無かったので,そのへんは保留しておきたいとは思いますが.
 AFですが...まあ微妙な話です.ここに書いてるものの中では私としても一番の疑問符つきです.でも...今までタム17-50, 28-75 で特にフォーカスのこなかった“真っ黒に近い彫刻”とかそういうのに結構な歩留まりでフォーカスが来たんですよね...そういうのにAFが来ないのは(位相差)AFの宿命なんだとは思いますが,7月のころの K-7 では,あるところで撮った写真が全部フォーカス外れのダメ写真でがっくりきた,なんていうことが一度ではなかったので,ちょっと(かなり)嬉しいです.特に,K20D ではなかなかだったタム17-50が K-7 ではフォーカスの問題で私の標準ズームレンズの座を滑り落ちそうだったのですが,それが K20D 時代の元に戻った感じです.

 え? ここに書いたことの証拠見せろって? 無理無理.(^^; 無理以上に,そんなの最初からやる気もないです.だからそもそも比較画像なんて撮ってないし,あったらあったで“同条件でないと無意味”と言われます.それはまったくそのとおりですが,“同条件”というのは(もちろん一定の許容される fluctuation の閾値があるとしても)実に高いハードルであって,DPReview みたいなプロの評価サイトでそれ専用の環境と評価システムを構築しない限り,一介のユーザには絶対に出来ないものです.そんなのを期待してはいけませんよね?

 私(=K-7ユーザ)にとって大事なのは,今回のビルド09へのアップデートを契機として,K-7 に対する(K20Dと同様な)信頼が芽生えた,あるいは芽生えつつある,ということでしょう.それに尽きます.たとえそれが『プラシーボ効果』に過ぎなかったとしても.

(2009/09/23)


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