2004年・夏



これがほんとにほんとの今年の北海道の夏最後でしょうね.山中では,カツラ・白樺あたりから,もはや黄葉の季節が始まっています.そんな中でエゾトリカブトの青紫の色彩が日陰の草地で目立っていました.この特徴的な花の形,人によっては“気味が悪い”と感じる場合があるようですが,『マントかぶったディズニーアニメの小人』みたいにも見えて,けっこう可愛いです.占冠村シム川.(2004/08)


夏の定番ヒマワリ...北海道の短い夏を惜しむ気持ちで上げときます.ここはもう過疎地の外縁部というか...真昼間でしたが人の気配はまったくありませんでした.いつも思うんですが,こういう人のいない・交通量の無いところって,気兼ねなく路端にクルマ止めて心行くまでシャッターを切れるんですよね.本州ではなかなかそういうところは少なくて,高速道路のPAが案外けっこうねらい目だったりする.置戸町常元付近.(2004/08)


このパターンは,昨年秋に某所で出会って以来,いろいろ機会を狙っていたんですが...これは比較的うまくいきました.山峡の湖面に逆さに映る白樺とハンノキの林の姿です.透けて見える湖底の水草の流れる姿が,タルコフスキー映画の1ショットみたいでシブイです.なんとシャッター速度 1/40 sec.夢中になりすぎて,ISO 200 のままシャッター速度がどうなっているのか確認せずに撮りまくってしまいました.途中で気づいたんですが,既に遅し.でもまあこういう被写体なので,手ブレしててもどうせわからんというか...:-p 津別町チミケップ湖畔.(2004/08)


一眼デジになって,“雲にもフォーカスが合う”ようになり,もともと雲が好きな私,あれこれトライしているんですが,なかなか難しい.これはまあまあ決まったほうかな.夕暮れがすぐそこに迫り,少しトーンが落ちた空に立体感のある雲,それにトドマツの独り影絵がせつないです.小清水町小清水峠付近.(2004/08)


これはなんというか...『無心の境地』になれなかった写真というところでしょうか.“ナラワラ”というもので,塩水の進入によって枯れてしまったミズナラ?の林です.3年位前になりますがここをたまたま通りかかって何の気なしに QV-4000 で撮った写真が偶然キマったんですよね...暗く垂れ込めた空の下の白い枯れ木たちが,蜷川幸雄の舞台演出みたいな不思議な雰囲気を醸し出してました.で,*istD でちゃんと撮り直そうと考え,今回夕方と朝方の2回出陣したんですが...QV-4000 で撮ったような雰囲気を捉えることは結局できませんでした.当たり前ですよね.私のような腕のないアマチュアが狙って面白い写真を取れるわけがない,といういい見本でした.でも悔しいので,一応あげときます.ちなみに前景に小さく見えているのは,3年前にはいなかったアオサギ達です.別海町野付半島.(2004/08)


釧路湿原ど真ん中のキャンプ場の朝,テントから這い出すと,あたりは一面の霧におおわれていました.肝心の湖(というか,沼か)の風景はそのおかげでいまいちでしたが...捨てる神あれば拾う神あり,霧のおかげで,こういう沁みいるような被写体に出会えました.最近覚えた f(^^; 露出補正も -0.7 EV で決まりましたね.釧路町達古武湖.(2004/08)


なんなんでしょうね,このひょうきんなやつ.調べてみたらどうやら“ヘラオオバコ”というものらしいんですが,あってるかな.後ろに見えるムラサキツメクサのスポットが効果的でした.夏まっさかりか...あと1ヶ月もすると秋ですもんね.北海道の夏は短い.北広島市音江別川付近.(2004/08)


これもテレビで“ユリが満開”というのを見て出かけたものです.この時は“栗錦”とかいう黄色いなめらかなユリが満開でそれはそれで見事だったんですが...私はこのどこか不細工な(失礼)ソバカスだらけのユリの立ち姿になにか魅かれました.背景の青空のワンポイントも効いたかな.札幌市百合が原公園.(2004/07)


可憐ですね...エゾアジサイ.こんなのが野生で山道に咲いているんですから,シビレます.なお,ここに行くまでの田んぼ道には,ヒグマの糞があちこちに何ヶ所もこんもりと...さすが北海道だべさ.この写真撮ってるときも,連れにはクルマを出ないように注意して,私は背中を気にしながら...ちょっと写真の腰が据わってなかったかな.当別町茂平沢.(2004/07)


朝のテレビで花ショウブが満開というニュースを見て,ちょっと出かけてきました.確かにすばらしいものでしたが,私にはちょっとその類はミスマッチというのか...寄るとけっこう生々しいものですしね,花ショウブ.これはその隅っこに何本か立っていた何かの残骸です.おそらく花弁が落ちた状態だとは思うのですが,菊ではないようでした.で,このショット,まさに“背景一発勝負”の一枚でしたね.この紫はもちろんラベンダーですが,見事にボケてシュールな絵画を見ているようです.札幌市八紘学園花菖蒲園.(2004/07)


シベリアアヤメというんだそうです.普通のアヤメと何が違うのか分かりませんが.写真は,まあいわゆる一つの“日の丸構図”というやつですが,f(^^; 和服の家紋みたいな被写体の濃密な色気でなんとか勘弁してください.このアヤメ,他にもいろいろな色のがあったらしいのですが,盛りをちょっと過ぎてまして,この色だけでした.札幌市滝野すずらん公園.(2004/06)


これはフレーミングの妙というのか,意図したわけではないのですが,なんとも不思議な写真になりました.上に咲いてる薄いピンクの花は“アカバナノヤマボウシ”とかで,うしろの白樺の樹とは何の関係もありません.ヤマボウシ自身の幹と枝は黒く沈んでよく見えないので,まるで白樺の森にかんざしを刺したような感じです.札幌市滝野すずらん公園.(2004/06)


なんだか絵本の中に迷い込んでしまったみたいです.カリフォルニアポピーというもので,そう言われてみると,美瑛なんかで見る普通のポピーとは色合いとか雰囲気がかなり違ってますね.バックの華やかなトーンのボケもすばらしく写りました.腕ではなく,“カメラなり”で撮っただけなんですけどね.札幌市滝野すずらん公園.(2004/06)


山深い路傍でのショットです.ここは開拓地だったようなのですが,今は人影も無く牧草地のようになってました.ところでデジ一眼買って10ヶ月ですが,最近マニュアルフォーカスにはまってます.こういうショットだとマニュアルしかないもんね.銀塩でもマニュアルフォーカスなんてPENTAX K2(だったかな?)以来なので,いったい何年ぶりになるんでしょう.あと,これはレンズなのかボディなのか私には分からないのですが,こういうボケになるとなんだかクレヨン画になってしまうのは一体...? 占冠村下トマム付近.(2004/06)


もう一つ撮影テク(てほどでも)の話なんですが,*istD になって“露出補正”を時々かけるようになりました...て,自慢するような話でも.私のレベルを良く表してますが,コンパクトデジカメではそんなこと考えたことも無かったので f(^^; これは露出補正どんぴしゃ(-1.0EV)で,バックがほぼ純黒に.うーん...気持ちいい.あ,ところで写ってるこれ,いったいなんなんでしょうか.富良野市尻岸馬内川林道.(2004/06)


初夏の生命感もりもりの森 ^^; の中で独りだけ白々と枯れている樹です.特に感情移入しているわけではありませんが,そのコントラストには魅かれます.この写真撮っていたらすぐ前の林の中で大きな動物の移動する物音と,ドシン!というまるでクルマが衝突するようなすさまじい音がしたので,あわてて逃げ出しました.エゾシカだったんでしょうけどね.さすが北海道の山中だ.南富良野町幾寅峠付近.(2004/06)


どうということもないのですが,タラノキ三兄弟.:-p 一緒に行った連中が仕事しているときに私はこんな写真こっそりと.いつも思うのですが,こういう角度で斜め後ろから陽を浴びて透過している緑って,なんというか明るくていい色だな...コントラストもいいし.*istD は緑は得意というのかこってりとして,時々派手すぎるほどになりますけど.後ろに写ってるのはイタヤカエデかな? 富良野市尻岸馬内川林道.(2004/06)


これはまたいかにも初夏らしい陽光の感じられるショットになりました.エゾハルゼミのやかましい鳴き声のシャワーが聞こえてきそうです.写っている幹はトドマツで,それにからんでいるのはおそらくツルアジサイだと思いますが...自信ない.富良野市ラベンダーの森.(2004/06)


こちらは同じ場所ですが,一転して暗く湿った日陰の林の中に一面に咲いていた小さな白い線香花火達です.調べてみたら,“ズダヤクシュ”というものだとか.ヘンな名前ですが,ちゃんとした意味があるんだそうで.ISO400に増感しています.*istD は ISO800までのノイズはピクセル等倍で見なければ分からない程度なので,こういう場面では有難いです.絞りもぎりぎりでテレ端のマクロですが,なんとか細かい雄しべまでシャープに写りました.これもマニュアルフォーカスだったと...富良野市ラベンダーの森.(2004/06)


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