小砂子海岸露頭

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上ノ国町小砂子・日方泊岬.2009年6月撮影.この岬露頭は,『海洋性岩石』と付加体砕屑岩の接触露頭である.混在相を伴わないのでメランジュではなく,スラブ岩体であると考えられる.

海洋性岩体は下位から,塊状玄武岩,枕状溶岩,赤色チャート礫を含む火山角礫岩,成層火山砕屑岩と石灰岩の互層,石灰岩礫岩,そして成層チャートという見事な海洋性層序を示している.付近に露出する石灰岩礫岩からは青木・吉田(1972)などによって石炭紀化石(サンゴ・コノドント)の産出が報告されており,『石炭紀の海洋プレート』そのものであろう.

この露頭は少なくとも2001年までは小砂子漁港の脇から自由に出入りできたが,2009年に行ってみたところ,漁港の脇に巨大な城塞のような護岸が建設されており,どうやっても侵入不可能であった.写真右端にその護岸外側の波消しポッドが見えている.この写真は,上の道の脇から見下ろして撮ったものである.斜面は急な岩盤で降りることは出来ない.残念無念なことである.

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