奥火の土層下部層アルコース砂岩中の変成岩砕屑粒子
このアルコース砂岩だが,よく観察すると,玄武岩粒子のほかに,こんな珪質変成岩粒子も(中央上).もちろん specific な変成鉱物を含まないので,狭義の変成岩かどうかは分からないが,少なくとも“延性変形岩”であることは確かである.これはつまり,先シルル紀の変成地質体が存在することを示す.そんなの当り前だ...って? ほんとうに??
母体層群などを巡るあれこれの議論を見ていると,(私も含めて)南部北上屋さんたちは変成岩というもののテクトニックな意義をほんとうに分かっているのかな?と正直思う.少なくとも『先シルル紀変成岩』だけでは何も言っていることにならない.それはプレート衝突高温変成帯の低温部なのか,それとも high-P/T 付加変成体なのか...テクトニックにぜんぜん違う話なのに,単に“変成岩”とだけ言っても何の意味もない...というのは言い過ぎなのだろうが.
それにしても,私がというか第2講座で当時使っていた顕微鏡写真撮影装置はすさまじい光学性能(=像面湾曲?)であった.ニコン純正であったと記憶するが.