私的・北海道地質百選
『住友赤平立坑』
炭鉱遺構には,『草に埋もれた廃墟』と『こぎれいに整備された遺構』とがあり,前者が圧倒的に多いが,この住友赤平立坑は,そのどちらでもないちょっと不思議なものである.
赤平の炭鉱遺産 によると,住友赤平炭鉱は 1939 年開業,1994 年に閉山した.
ここで紹介するのは,閉山後に保存されている立坑跡である(右写真).
立坑下部の建屋は赤錆びた遺構風であるが,その手前にはピンク色壁の現在なんらかの業務に使われている建物が併設されている.
つまり,遺構と現役とのハイブリッドになっていて,そのコントラストがなかなか面白い.
立坑自体は奔別立坑に似た長方形断面のストレートな形状のもので,“ホイール” などもそっくりである.そういう規格ということなのかもしれないが.
上部に貼られた安全シンボルのミドリ十字が,なんとなく切ない.
なお,この立坑から少し離れた場所に,赤平市による『炭鉱遺産ガイダンス施設』が 2018 年に開館している.
この施設横には,右写真のような炭鉱遺構がある.非常に変わった形状をしたもので,原炭ポケットとされているが,斜めのコンクリートの梁のような部分がどういう働きをするものかは分からない.
遺構の向こうに,住友赤平立坑が遠く見えている.
(なし)
(なし)
(なし)