私的・北海道地質百選
『大新坑跡』
夕張市小松の山中には,『大新坑』という炭鉱抗口が存在し,その周囲にはいくつかの遺構群が散在する.
夕張炭鉱の閉山は 1982 年となっているが,この大新坑がいつまで稼行していたものかは不明である.写真撮影時には,少なくとも閉山から 30 年が経っていることになる.
右写真は遺構の状況を示したものである.サイトに至る通常の道路はなく,轍のある細い作業道のようなものはあるが,そこを歩いて行くしかない.この時は,歩きやすさを狙って,まだ積雪の残っている状態で行ってみた.夏季野草繁茂時には,到達はかなり難しいのではないかと思われる.
その形状から教会とも模されている遺構(右写真)はその独特な様式が素晴らしいが,元々どのような用途の建物であったかは分からない.
窓枠から向こうの景色が見えていることから分かるように,屋根は既に落ちており中はがらんどうで,基本的にはこの正面の壁しか残っていない.おそらく早晩崩壊に至るものと推察される.
上のメインの建造物の周りには,構造物遺構はそう多くはない.確認できたのは二つだけであった.
右は,骨組みだけであるが,倉庫のようなものである.あるいはトロッコ関係か?
右下は,唯一の金属製遺構で,おそらく送風機の一部であろう.
※ なおこの見学の際には,立ち入り制限等を示すものはなにもなくオープンで,そのまま徒歩で入ることができた.
しかし周りの状況を見ると,必ずしもそれは『見学フリー』を示すものではない可能性もあり,確信は持てない.一応お断わりしておきたい.
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