私的・北海道地質百選
『真谷地炭鉱跡』
夕張市真谷地(まやち)にある北炭真谷地炭鉱は, Wikipedia によると,1905 年にその前身が開業し,1987 年に閉山した.
真谷地炭鉱入り口の手前に立つ,かつての炭鉱事務所(右写真).稼行当時から既に事務所ではなく,資材置き場等として使われていたものらしい.昭和の建物らしい味を感じさせる造りである.
2月の雪の重さと『北炭』(建設)の2文字が過去を彷彿とさせてくれる.
右写真の建物は,入り口から少し入った高台の道沿いにあるもので,そのたたずまいから当初は病院かとも思われたが,上に掲載した事務所に代わって立てられた炭鉱の総合事務所で,下の階には共同浴場もあったらしい.
ヘッダー・サムネールの元事務所の向こうにこの建物が写っている.
沢沿いの炭鉱施設方向に入る場所は立ち入り禁止になっているので,その上を通る公道(行き止まり)から下を見ると,選炭関連と思われる施設の残骸が見える(右写真).
閉山からまだ 20 年経っていないが,かなりの劣化が進んでいた.
さらに見ると,赤錆びたトタン屋根の大きな建物があり,その横に YUTETSU バスが何台も放棄されていた(右下写真).
トタン屋根の建物は,もしかすると専用鉄道のターミナルかもしれないが,不明である.
これらの炭鉱遺構は,少なくとも 2020 年までにはすべて取り壊されてしまい,消滅した.非常に残念なことである.
所有・管理が民間企業である限り仕方のないことではあるが,こういう貴重な遺構を地方自治体等が保存・公開していくことは不可能なことなのだろうかと,正直感じてしまう.
例えば夕張市関連では,あの『清水沢発電所』は大部分が取り壊されたが,その一部は保存されており,NPO 法人 清水沢プロジェクト による見学ツァーも開催されているようである.地域コミュニティでのこのような取り組みがさらに広がることを望みたい.
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