私的・北海道地質百選
『沼田の貝化石床』
注)このサイトは本家・北海道地質百選では,古沢仁さんが投稿しています.ここに掲載するものは,垣原さんの投稿 とは独立したもので,すべて化石音痴の筆者によるオリジナルです.
沼田町恵比島(えびしま)付近の幌新太刀別川(ほろにたちべつがわ)河床には,有名な貝化石産地がある.
この地層は,渡辺・吉田(1995)によると新第三紀中新世~鮮新世の深川層群・幌加尾白利加(ほろかおしらりか)層上部層で,淘汰の悪い砂岩層からなる.
地層は下流側にゆるく傾斜しており,貝化石濃集層(貝化石床)を挟んでいる(右写真).
化石は,有名な Fortipecten takahashii (タカハシホタテ)の他に,Acila(キララガイ), Anadara (アカガイ)などの二枚貝と Turritella (キリガイダマシ)などの巻貝化石を含む(下写真).化石の密集度は圧巻である.
露頭は河床面と河岸部の両方にあるので,層理に平行な面と垂直な面の両方で化石濃集層を観察できるのが,このサイトの利点となっている.
貝化石のほかに,このサイトでは生物擾乱構造・生痕化石も観察できる(上写真の上右・下右).砂充填のもので,不規則な形状のものと,マカロニ状のサンド・パイプが認められる.
沼田町指定文化財(1991年)
沼田町 恵比島付近.
注)沼田町側の意向により正確な場所は非公開となっている.
渡辺真人・ 吉田史郎(1995)5万分の1地質図幅『恵比島』.地質調査所,61p.
(なし)