私的・北海道地質百選
『大成太田神社の花崗岩』

 西南北海道には,ジュラ紀付加体を貫く花崗岩質岩体が分布するが,せたな~今金地域にはいくつかの大規模な岩体がある.せたな町久遠から太魯にかけて分布する久遠岩体はその一つである(土谷・西川,1990).


太田神社拝殿.この向かって左側に花崗閃緑岩の露岩があり,その上に北海道最古の “灯台” の一つといわれる定灯篭(復元)が設置されている.2009 年 6 月撮影.
久遠岩体の典型的な岩相である花崗閃緑岩.せたな町大成区富磯付近.2009 年 6 月撮影.

 大成町にある太田神社の拝殿(右写真)は,この久遠岩体の上に建立されている.

 久遠岩体は主に粗粒な花崗閃緑岩からなり(右下写真),114 Ma(中生代白亜紀古世)という黒雲母 K-Ar 年代が報告されている(河野・植田,1966).

 久遠岩体の分布幅は約 11 km で,西南北海道の白亜紀花崗岩体としては,今金岩体・遊楽部岩体に続く大きなものである.

太田山大権現入り口.大権現は,左上に合成した急斜面上にある.2009 年 6 月撮影.

 拝殿の背後に見えている急斜面(左写真左上)の上に,難所として有名な『太田山大権現』がある.その海面からの比高は 330 m 以上である.

 これらの由来の説明板を読むと,松浦武四郎・円空上人・菅江真澄など歴史上有名な人物がここを訪れていることが分かる.

帆越トンネル久遠側から旧道を望む.海岸の露岩をそのまま開鑿したような道路が印象的である.2009 年 6 月撮影.

 この付近はまた,北海道で海岸沿いに道路が開通していない数少ない区間の一つでもある(近く太田~鵜泊間の道道が開通予定 ⇒ その後 2013 年に開通した).

 帆越岬付近は,帆越トンネル開通以前は,海岸の花崗閃緑岩の露岩の上を道路が通っているような秘境的雰囲気の場所だった.その雰囲気は,帆越トンネル付近の旧道に現在でも見ることが出来る(右写真).


既存の指定など

(なし)


所在地

せたな町 大成区 太田山西方.


サイトの状態:


参考文献

土谷信高・西川純一,1990,白亜紀の深成岩類.日本の地質『北海道地方』,10-12,共立出版.

河野義礼・植田良夫,1966,本邦火成岩の K-Ar dating (4)-東北日本花崗岩類-.岩鉱,56, 41-55.


関連サイト

(なし)



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