私的・北海道地質百選
『金駒内の不整合』

金駒内層基底不整合露頭の全景.2009 年 7 月撮影.

不整合関係を正面から近接して見たもの.下位の古丹別層との傾斜や岩相の差は比較的小さい.マウスオーバーで説明を表示する.2009 年 7 月撮影.
上写真の露頭を北側から斜めに見たもの.視線による圧縮効果で古丹別層との斜交関係が強調され良く分かる.古丹別層は褶曲しているようにも見えるが不明である.2009 年 7 月撮影.
金駒内層の基底礫岩.2009 年 7 月撮影.

 金駒内川の河口から海岸に出ると,北に傾斜した礫岩砂岩互層の露頭がまず見える.これが新第三系古丹別層である.
 古丹別層は上部で砂質になっていくが,その上に薄い含礫部を挟んで,灰色の砂岩・シルト岩互層が重なっている.金駒内層(秦,1961)である(写真1).

 両層の関係は不整合であるが,傾斜の差が小さく岩相もそれほど違わないので,露頭を真正面から見ると,不整合であることがわかりにくい.いったん海岸を北に歩き,振り返って露頭を斜めからすかして見ると,傾斜の差が誇張され,明瞭な傾斜不整合であることがわかる(右写真).

 金駒内層の基底礫岩(右下写真)は厚さ 1 m 以下で,淘汰・円磨度ともに悪く,砂基質である.場所によっては含礫率が小さく,礫質砂岩となっている部分もある.礫種は安山岩などの火山岩類を主体とし,大礫が含まれている場合もある.

ノジュール転石中の動物骨化石.2009 年 7 月撮影.

 金駒内層には多くの石灰質ノジュールが含まれており,露頭の下の海岸には,脱落したノジュールがたくさん落ちている.まれに,その中に骨化石が入っていることもある(右写真).おそらく海生哺乳類の肢骨ではないかと思われるが,筆者には判断・判別不能である.


既存の指定など

(なし)


所在地

初山別村 金駒内海岸.


サイトの状態:


参考文献

秦 光男,1961,5万分の1地質図幅『初浦』および同説明書.地質調査所,61p.


関連サイト

(なし)



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