私的・北海道地質百選
『月見ヶ浜のタービダイト』
注)このサイトは本家・北海道地質百選には,田近淳さんとの共同執筆で投稿したものです.今回ここに掲載するにあたり,文章表現はすべて見直し,ほぼオリジナルとなっていますが,田近さんの書いた文章部分が未分離で残っている場合もあり得ます.ご了解ください.なお写真はすべてオリジナルです.
湧別町サロマ湖の西岸部に位置する月見ヶ浜には,湖岸のベンチに地層が広く露出している(右写真).
その向こうはオホーツク海ではなく,サロマ湖である.水平線上にサロマ湖外縁の砂州がわずかに見えている.湧別層群の走向は湖岸にほぼ平行となっている.
この地層は,湧別層群瑞穂層に属するものである(田近・八幡,1991).
砂岩と泥岩からなる弱変形の薄~中層理タービダイト互層で(右写真),一部には礫岩層もはさまれている(下写真).礫岩は,堆積岩類の細礫~小礫を主体とし,淘汰は悪い.砂基質の多い含礫砂岩状の部分もある.
湧別層群は,一般に古千島弧側の付加体と考えられ,白亜紀古世~古第三紀始新世の年代が得られている.北海道の付加体としてはもっとも新しい時代のものの一つと言える.
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田近 淳・八幡正弘,1991,5万分の1地質図幅『遠軽』.北海道立地下資源調査所,104p.
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