私的・北海道地質百選
『鮪ノ岬の柱状節理』

 乙部町から海岸に沿って北上すると,鮪(しび)ノ岬という変わった名前の岬がある(下写真).


岬の北方,花磯付近から見た鮪ノ岬.2009 年 6 月撮影.

駐車場に設置されている天然記念物指定のモニュメント.左下は実際の柱状節理安山岩であるが,モニュメント自体は砂岩石材を柱状節理風に加工したもの.2009 年 6 月撮影.
安山岩の柱状節理.露頭面に対して凸型に湾曲しており,縦断面と横断面が見えている.2009 年 6 月撮影.
柱状節理の近接写真.2009 年 6 月撮影.

 これは,新第三紀の安山岩岩脈が造っている岬で,見事な柱状節理が観察でき(八幡,2002),北海道の天然記念物となっている.

 岬の名前は,鮪(=マグロ)の魚体を思わせるその独特な曲線美に由来するものであろう.
 トンネルを出たところにある駐車場には,柱状節理をイメージした天然記念物モニュメントが設置されている(右写真).

 鮪ノ岬を遠くから見ると,柱状節理を持った安山岩溶岩層が “二段重ね” のようになっている(上写真).溶岩流が上下2枚あるのだろうか? 

 露頭に接近して観察すると,1枚の溶岩の中で柱状節理が上に凸形状で湾曲しているだけで,なにか不連続面があるわけではない.
 露頭の下部ではその縦断面が,上部では横断面が見えていることが分かる(右下写真).これは『車岩』と呼ばれている.

 この少し不思議な柱状節理露頭の構造に関する解釈としては,節理面が湾曲し露頭上部では “柱” が水平に近く下部では垂直に近いため,分離面が露頭上部では節理に垂直に近く下部では平行に近い,ということなのだろう.
 その “変曲面” がちょうど露頭中央部に近いところにあるためと考えられる.

 いずれにせよ,この鮪ノ岬の柱状節理は,その規則的・幾何学的な形状が類のないほど見事なものであるということは間違いない(右写真).


既存の指定など

北海道指定天然記念物.1972(昭和 47)年 4 月 1 日指定.


所在地

乙部町 花磯 鮪ノ岬.


サイトの状態:


参考文献

八幡正弘(2002),車岩に見られるマグマの冷え方-鮪ノ岬.『道南の自然を歩く』,地学団体研究会道南班編,141-142.


関連サイト

(なし)



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